反共産主義シリーズ⑬[公安🎌という反共産主義カルト]
反共産主義シリーズ⑬[公安🎌という反共産主義カルト]
この記事の英語翻訳版は「Anti-Communism Series⑬[Public Security🎌 as an Anti-Communist Cult]」です。
2026年2月12日現在、日本はまだ日本国憲法で表現の自由が保障されています。しかし、2026年2月8日に自民党が奇妙な大勝をしたことによって、急速に改憲や「スパイ防止法の制定」や「国家情報局(現代の特高警察)の設立」など戦争の準備が始まっており、政権批判するX(Twitter)のアカウントが次々と凍結され始めており、いつ情報統制や弾圧や迫害が始まってもおかしくありません。もし重要だと感じられましたら、このsubstackのページも保存して残しておかれることをオススメします。
・なぜ、ファシズムが吹き荒れているのか?
・なぜ、中国🇨🇳敵視を撤回できないのか?
・なぜ、日本が右傾化してしまったのか?
・誰が高市を強固に支持しているのか?
・大日本帝国🎌を復活させようとしているのは誰なのか?
・ファシズムの真の元凶は誰なのか?
・政治家やはなぜ「スパイ防止法」や「国家情報局(現代の特高警察)」が欲しいのか?それらの謎を解き明かしていくシリーズが「反共産主義シリーズ」です。驚くべきことに、誰もが知っているイジメの心理やメカニズムがファシズムの基本になります。
高市政権が目標に掲げている「国家情報局(現代の特高警察)」の創設ですが、どのような組織になるのか?実際にどのようなことをしているのか?を理解してイメージしやすくするために、公安と言う組織が実際にどのようなことをしているのか?本に記載された実例を元に見ていきたいと思います。そして、誰が強引に中国🇨🇳との戦争に誘導しているのか?その「真犯人」を垣間見ていこうと思います。
シリーズの記事一覧です。
英語版のまとめはこちらです。
Anti-Communism Series Summary(EnglishVer.)
より詳しい内容を知りたい場合は、各ページの詳細な説明をご覧ください。
反共産主義シリーズ
反共産主義シリーズ②[政府や企業の隠蔽工作を請け負うビジネス]
反共産主義シリーズ⑥[金と保身に支配されて変われない日本の有権者たち🇯🇵]
反共産主義シリーズ⑦[外国人排斥をしている人たちの本音と本性]
反共産主義シリーズ⑧[ベネズエラ🇻🇪とイラン🇮🇷に戦争を仕掛ける恐るべき真相]
反共産主義シリーズ⑨[反社とイスラエル🇮🇱の恐るべきハイテク兵器]
反共産主義シリーズ⑩[民主主義を破壊するICEの人狩りアプリの詳細]
反共産主義シリーズ⑪[”予測警察”と”脅威スコア”による善悪逆転のクーデター]
反共産主義シリーズ⑫[巨大な反共産主義ネットワークとその”起源”]
反共産主義シリーズ⑮[“戦争放棄→戦争する国”に変えた監視と恐怖の支配メカニズム]
反共産主義シリーズ⑯[巧妙でバレにくい凶悪犯罪の増加と阻止できない無能な日本の左翼の大問題]
反共産主義シリーズ⑰[“陰謀論”や”被害妄想”と言うレッテル貼りによる真実の隠蔽技術]
反共産主義シリーズ⑱[究極の監視技術:”人間をハッキングする”]
反共産主義シリーズ⑲[スマートダスト:全人類を支配する目に見えないナノ監視兵器]
反共産主義シリーズ⑳[盲点になっている5G・6Gの全方位監視ネットワーク]
反共産主義シリーズ㉑[監視やスパイだらけになるとどんな社会になるか?]
反共産主義シリーズ㉒[12.3韓国クーデター事件簿①:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉓[12.3韓国クーデター事件簿②:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉔[12.3韓国クーデター事件簿③:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉕[12.3韓国クーデター事件簿④:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉖[12.3韓国クーデター事件簿⑤:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉗[12.3韓国クーデター事件簿⑥:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉘[12.3韓国クーデター事件簿⑦:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉙[ファシストの真の正体 — 強欲な自己愛モンスターが民主社会を喰い尽くすとき①]
反共産主義シリーズ㉚[ファシストの真の正体 — 強欲な自己愛モンスターが民主社会を喰い尽くすとき②]
反共産主義シリーズ㉛[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART①]
反共産主義シリーズ㉜[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART②]
反共産主義シリーズ㉝[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART③]
反共産主義シリーズ㉞[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART④]
反共産主義シリーズ㉟[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART⑤]
反共産主義シリーズ㊱[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART⑥]
反共産主義シリーズ㊲[イラン戦争🇮🇷の真実PART⑦:邪悪な帝国主義者たち🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の真の世界支配計画?]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み①[反共産主義シリーズ㊳]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み②[反共産主義シリーズ㊴]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み③[反共産主義シリーズ㊵]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み④[反共産主義シリーズ㊶]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み⑤[反共産主義シリーズ㊷]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み⑥[反共産主義シリーズ㊸]
【現代社会構造の新教科書】憲法9条を破壊したい戦争で儲ける11業界と儲かるメカニズム[反共産主義シリーズ㊹]
【現代社会構造の新教科書】年金・医療・憲法を壊す政治家と支持者の動機——戦争をしたい者を見抜く方法[反共産主義シリーズ㊺]
【現代社会構造の新教科書】亡国の設計図:永久戦争国家への改悪マニュアル[反共産主義シリーズ㊻]
【現代社会構造の新教科書】”嘘つきで話の通じない人”は”カルト信者”ではなく駒だった[反共産主義シリーズ㊼]
【現代社会構造の新教科書】”進歩や科学”に見せかけたファシズムの兵器[反共産主義シリーズ㊽]
【現代社会構造の新教科書】愛国を叫ぶ売国奴たち――諜報機関に乗っ取られた西側民主主義国家[反共産主義シリーズ㊾]
【現代社会構造の新教科書】見えない檻に収監されるハッキングされた人類――エプスタイン階級の究極の支配技術[反共産主義シリーズ㊿]
【現代社会構造の新教科書】西側諸国🇺🇸🇪🇺🇯🇵の自国民ジェノサイドと言う不都合な未来[追加]
女性差別シリーズ
反共産主義シリーズの姉妹編の女性差別シリーズです。
反共産主義者による日本女性差別シリーズ(INDEXpage)
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反共産主義シリーズ⑬[公安🎌という反共産主義カルト]
第17章 公安🎌という反共産主義組織
高市首相が、選挙に大勝した直後に、改憲や、「スパイ防止法の制定」や「国家情報局(現代の特高警察)」の設置を指示して、2026年7月には「国家情報局」を作りたいという意欲を示しました。
しかし、「国家情報局(現代の特高警察)」がどのような組織になるのか?多くの人は、無知すぎて予想もつかない人が多いと思います。そこで、公安という組織をベースにどのような組織なのか?見ていきたいと思います。
【イデオロギー警察の系譜】
公安は、組織の遺伝子としては特高警察の遺伝子を受け継いだイデオロギー警察の組織です。
特高警察🕵️→公安🕵️→内閣調査室🕵️→国家情報局🕵️と言う進化の流れを辿って拡大し続けています。大日本帝国🎌の遺伝子を継いだ者たちがCIA🇺🇸やモサド🇮🇱になろうとする組織です。
第17章1節 “一水会”の元会長が書いた本
公安については、いろいろな本がありますが、最近、反安倍で対米自立やロシアとの友好を主張して、まともな右翼として注目されて有名になりつつある「一水会」の前会長の「鈴木邦男」さんが書いた「公安警察の手口」と言う本を元に紹介していきます。
【鈴木邦男(すずき・くにお)】
1943年福島県生まれ。67年、早稲田大学政治経済学部卒業。
70〜73年、産経新聞社に勤務。
学生時代から右翼・民族派運動に飛び込み、72年に「一水会」を創り、「新右翼」の代表的存在になる。99年12月に「一水会」会長を辞め、顧問になる。現在、月刊「創」など にコラムを連載中。
主な著書に、『新右翼』(彩流社)、『夕刻のコペルニクス』(扶桑社文庫)、『言論の覚悟』(創出版)、『ヤマトタケル』(現代書館)などがある
第17章2節 まえがき
公安と言えば、日本共産党を「破防法に基づく調査対象団体である」と執拗に監視し続けていることで有名な「公的な反共産主義組織」であり、反共産主義の思想にカルト的に染まった巨大な警察に巣食う組織でもあります。
あのおとなしい日本共産党も公安の監視下にあるし、市民運動や住民運動、ボランティア活動なども監視されている。こうした団体を公安が監視する理由は、過激派が市民運動などに紛れ込み、隠れ蓑にする危険があるからだという。自分の頭でものを考え行動する人は、反政府・反体制の運動に加担しがちだ、と公安は思っているからだ。
国民の日常的な「安全」を犠牲にしてでも、公安は自らの巨大な組織を維持しようとする。
「我々公安こそが日本を守っている」という奇妙なプライドがあるからだ。
「泥棒や殺人犯が捕まらなくても日本が転覆することはない。
しかし、過激派や国際テロリストを逃したら日本は滅びる」そう信じているのだ。
だから、公安は聖域であり、アンタッチャブルな存在であり続けている。その使命感にもとづいて、公安は盗聴、ガサ入れ、スパイ活動、不当逮捕もやり放題だ。
公安はその存在自体が問題である。にもかかわらず、大手マスコミもこの問題をあえて取りあげようとはしないし、国会で問題になることもない。謎に包まれた公安の厚い扉をこじ開けて、その実態に迫ってみたい。そう思ってこの本を書いた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節 警察👮♂️らしからぬ卑劣な手口の数々
公安警察には、警察らしからぬ卑怯で卑劣な手口が数々報告されています。この節では、それらの手口について、簡単に紹介していきます。
第17章3節1項 同伴尾行や何でも逮捕する手口👮♂️
1987年の「赤報隊事件」
(散弾銃を持った男が朝日新聞阪神支局に押し入り、銃を乱射。居合わせた記者1人が死亡、1人が重傷を負った。これ以降も全国の朝日新聞社が襲われたが、犯人は未だに逮捕されていない。2003年3月に時効)のときは、「犯人はきっと新右翼だ」という理由だけで、何十回ガサ入れを受けたか分からない。さらに別件逮捕、ひっかけ逮捕をされた。尾行や張り込みだって半端じゃなかった。
それに、公安にいったん目を付けられたら逃げるすべはない。抗議のしようもない。公安に24時間アパートの入口を張り込まれ、どこに行くにもビタリと尾行が付いてくる。そんな状況が数カ月も続いたことがある。あるとき、アパートの隣人に「変な人がついて来ますよ。警察に言ったほうがいいんじゃないですか」と言われた。
「その警察ですよ」とも言えず困ったことがある。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節2項 公安の同伴尾行の手口👮♂️
さらに、「同伴尾行」もされた。同伴尾行とは、普通の尾行のように追跡する相手の後ろを見え隠れしながら付いていくのではなく、すぐ隣を歩いてどこまでも離れない尾行のことだ。喫茶店に行けば隣の席に座る。
電話をかけに行けば、すぐ隣で聞いている。普通の人間なら、これだけやられたらカーッとなる。
怒鳴るか、突き飛ばすだろう。公安はそれを待っている。そして「公務執行妨害」「暴行」で逮捕する。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節3項 公安の「犯罪を捏造」する手口👮♂️
つまり、逮捕したいと思ったら公安はなんでもできるのだ。まずは微罪や別件で捕まえる。
オウム事件のときに用いられた手法だが、荷造り用のカッターナイフを持っているだけで捕まえる。近道をするために空地を横切ったら、「他人の私有地に侵入した」といって捕まえる。また、偽名でホテルに泊ったとか、友人の名前でアパートを借りたという理由で捕まえる。さらに凄いのは「犯罪」を捏造して捕まえることだ。
たとえば、相手が何もしないのに勝手に倒れて、「突き飛ばされた」と言いがかりをつけて相手を逮捕する。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節4項 伝家の宝刀「ころび公妨」👮♂️
「いくらなんだって日本の民主警察がそこまでやるはずがない」と思う読者もいるだろう。これではまるでヤクザやチンピラが因縁をつけているのと変わらない。
だが、やるのだ。
左翼や右翼の活動家なら一度くらいは体験があるだろうが、公安は「ころび公妨」という技を使うのだ。
この「ころび公妨」とは、逮捕したい相手に話しかけて、勝手に公安が転んで、「あっ、俺を殴ったなー」「公務執行妨害だ」「暴行だ」と喚いて相手を逮捕する捨て身技のことだ。公安の伝家の宝刀だ。
「逮捕された活動家がオーバーに言っているだけだろう」と思うかもしれない。しかし、森達也監督のドキュメンタリー映画「A」には、この「ころび公妨」がバッチリ映っている。路上で公安がオウム信者を呼びとめ、もみ合って突き倒すシーンのなかで、公安はしまったと思ったのか、なんとその公安が「イタタタ・・・・・・」と言って自分で転んでしまう。そして「お前がやったんだ」と言ってオウム信者を逮捕してしまった。
公安はこんな演技までするのかと驚いた。嘘だと思ったら、レンタルビデオ店で「A」を借りて見たらいい。公安の「伝家の宝刀」である「ころび公妨」がバッチリ映っている。この映像が証拠として裁判所に提出され、そのオウム信者は何日か後に釈放された。しかし、クサい演技をした公安はなんのお咎めもなしだ。本当は、こいつのほうが犯罪者なのに、逮捕もされない。今も公安の仕事をしているんだろう(しかし不思議なのは、公安がカメラで撮られているのを知っていて、こんな不当逮捕をしていることだ。どうやら公安はテレビ局のカメラだと思ったらしい。
「テレビ局ならば、警察に逆らってこの映像を流せない」と高をくくったのだろう)。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節5項 容疑をデッチあげる👮♂️
ぼくも似たような体験がある。あるガサ入れのときだ。全く身に覚えがないのに何度も何度もガサ入れをやられる。
このときはさすがに頭にきた。それで捜索令状を見せてくれと言って、ぼくに対するガサ入れの理由を聞いた。
令状には、「被疑者不詳」とあって、どうやら放火事件の容疑でガサ入れに来たらしい。令状の一言一句を確認するためにゆっくり読んでいたら、「もういいだろう」と公安が令状をひったくった。
ぼくはしっかり握って読んでいたので、ビリッと破れた。「これはしまった」と公安は思ったのだろう。
次の瞬間、「お前が破った!公文書毀棄だー」と言ってぼくに手錠をかけた。こっちは呆然とした。
馬鹿な、破ったのはお前じゃないか、と言ったが相手は聞く耳を持たない。「警察に行って事情を説明したら分かってくれるだろう」と思ったが、ダメだった。なんと23日間も勾留された。その場に森達也監督がいてビデオでも撮っていたら釈放されたかもしれない。
しかし、このとき現場にいたのは警察官だけだった。こいつら(公安)は何でもできるんだなと思いゾッとした。
それ以来、どんなガサ入れでも一切、逆らわないことにしている。令状も決して自分の手にとらない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節6項 ガサ入れの”本当の目的”👮♂️
実は、公安のガサ入れの目的は周囲の住人に警戒心を喚起させ、ターゲットにされた人を経済的、心身共に追い詰め、孤立させていくことなのです。
大川原化工機捏造事件では、それが如実に現れました。実際には、事実無根で無実の善良な会社であったにも関わらず、犯人に仕立て上げられたのです。
最近はガサ入れに来る公安は揃いの帽子を被り、揃いのブルーの服を着ている。昔は背広にネクタイで、控え目にガサ入れに来たのに、今は「俺たちは警察だ」とあえて誇示するような姿でガサ入れに来る。さらに携帯電話で大声で喋っている。「今、鈴木の家のガサ入れを開始しました。そちらはどうですか」と。
さらには、「シャブはねえか、探せ!」「チャカ(拳銃)はねえか」と大声で怒鳴っている。そして金属探知機を使って天井裏まで調べている。
こんな感じで必要以上に大騒ぎをしながら捜索をしていれば、当然、「何事か?」と近所の人たちだって集まってくる。帽子を被った警察を見て、「オウムの捜査かしら」などと言っている。大家さんも慌てて駆けつける。
「何事ですか」と警察に訊くと、「爆弾事件の容疑です」とか「放火の容疑です」という返事が返ってくる。そんな説明を受けたら大家さんだって驚く。結果、「ともかく、出ていってくれ」とぼくに立ち退きを命じることになる。
「冤罪です」とぼくが説明しても、大家さんは「何もないのに警察がガサ入れするはずがない」と思っているから聞く耳をもたない。たとえ、ぼく自身が主犯者ではないと理解してくれたとしても、「犯人の仲間か、あるいは何か関係があるんだろう。だから警察が来たのだ」と大家さんは推測をめぐらせるにちがいない。このように、ガサ入れの目的は周囲の住人に警戒心を喚起させることなのだ。
国民の大多数は、おそらく一生、逮捕されることもないしガサ入れされることもない。だから、警察が来るなんてよっぽどのことだと思うはずだ。それが世の中の「常識」だ。その「常識」のために、ぼくは何度もアパートを追い出された。一水会(右翼団体。1972年に鈴木邦男により結成。反米路線を掲げ、従来の親米右翼と一線を画す「新右翼」として注目を集める。現代表は木村三浩。機関誌「レコンキスタ」を発行)の事務所なんて十回以上も追い出され、その度に引っ越している。
一度などは、かつて「週刊SPA!」に連載していたとき赤報隊のことを書いたら、それだけでガサ入れをされた。ガサ入れの理由は「何か知っているはずだ」という曖昧なものだ。「だったらガサ入れなんかしないで、ぼくのところに直接聞きにくればいいじゃないか」と言ったら、「鈴木さんは警察には会わないでしょう。だからこういう方法しかないんです」とうそぶく。酷い連中だ。たかが週刊誌の記事で自宅をガサ入れされたなんて、日本中でぼくだけだろう。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章3節7項 自己保身しか頭にない公安
こうした不当ガサ入れや不当逮捕については何度も抗議したけれど、全て無駄だった。民主的といわれる弁護士に相談しても、「政治運動をしていたらそういうこともあるでしょう」と相手にしてくれない。それに一般の人は、
「過激な運動をしているから公安は取り締っているんだ。少々捜査が行き過ぎても仕方ないだろう」と思っている。
つまり、「政治運動をしているお前らも悪いんだ。警察に弾圧されるのが嫌なら政治運動をやめて一般市民に戻ったらいいだろう」というわけだ。
しかし、ことの本質はそう簡単ではない。たとえ「一般市民」に戻っても死ぬまで追い回されるからだ。それに、公安は「顧客」を手放さない。公安にとっては左右の活動家は「お客さん」であり、生活の糧だ。「日本を引っくり返そうと企てる危険な活動家がたくさんいる。彼らから日本を守っているのは自分たちだ」と公安は思っている。
それに、活動家の数が増えるのは公安にとっても都合がいい。なぜなら「もっと予算を」と言えるからだ。もし、活動家の数がどんどん減った場合、公安は自らの存在理由が消失したことを認めるだろうか。「もう彼らは活動をやめたから危険はありません。我々も監視をやめます」と上司に報告するだろうか。しないのだ。
ここが大事だ。彼らは、こう報告する。「活動をやめたと言っているが本当かどうか分かりません」「きっと偽装脱会ですよ」「もっと過激なことをやるつもりです」。だから、公安の論理で考えれば、監視は永遠に必要だし、予算も人員ももっと必要だということになる。つまり、公安のブラックリストに載ったら、もう一生逃れられないわけだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節 逆に犯罪を生み出す警察👮♂️
「エプスタイン・ファイルが公開」されたにも関わらず、誰も逮捕されない事に、アメリカ人🇺🇸が大勢烈火の如く怒って批判しています。隣の韓国🇰🇷では捕まるのに、日本でも裏金議員や統一協会🏺は罪が明らかになっても捕まりません。「警察👮♂️は、犯罪者を捕まえる」その常識は、もはや通用しないのかもしれません。逆に犯罪を作っているのです。
第17章4節1項 悪魔の誘いで犯罪を生み出す公安の手口
公安は左右の活動家を見張り、日本の治安を守るのが任務だ。だが、活動家の反体制運動が完全に沈静化し、事件が全くなくなることを公安が望んでいるかというと、そうではない。もしも反体制運動がなくなってしまうと、「公安はもういらない」と言われるからだ。したがって公安の立場にしてみれば、適度に事件が起こってくれなくては困る。そして、「我々公安が命がけで仕事をしているから治安が守られているんだ。そうでなかったらどんな大事件が起きるか分からない」と言う。
しかし、「適度な」事件もないときはどうするか。仕方がないから、そのときは事件をデッチあげる。ぼくが「新右翼」としてデビューした頃だった。公安が近づいてきて、こんな提案をした。
「右翼は牙を持つべきだと鈴木さんは言っていますが、その鈴木さんが何もしていないじゃないですか。あいつは口だけだと他の右翼も皆批判していますよ。だから、どうです?檄文を書いて日教組か自民党本部に突っ込みませんか。なに、直前にぼくが止めますよ。それなら逮捕されても23日で出られます。それで鈴木さんも男があがるし、あいつは本気だったんだと他の右翼も見直しますよ」
とんでもない公安だと呆れたが、同じような悪魔の誘いは、その後も何度かあった。おそらく、他の右翼に対してもそういう誘いをしているのだろう。なかには、公安の誘いに吹かされた結果、事件を起こす人もいるのだろう。右翼も男になれるし、公安も「大事に到る前に阻止した」と表彰される。裁判になったって、まさか「公安に吹かされてやりました」なんて自供するはずがない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節2項 犯罪者の弱みを握ったり煽ったりして犯罪させる手口
自分たちは手を汚さずに犯罪をさせる手口もあります。
さらにこんなケースもある。一概に右翼といっても、その政治理念や思想信条は千差万別である。真面目な人もいるし不真面目な人もいる。ヤクザ稼業と二足のわらじを履いている人もいる。
思想はないが、金になりそうだからという理由で右翼をやっている人もいる。なかには「エセ右翼」といわれるかもしれないが、覚醒剤や売春で捕まる人もいる。
そんな不名誉な罪で逮捕状が出ている人間のところに公安が行き、「クスリなんかで捕まったら恥ずかしいでしょう。どうです、共産党か日教組に突っ込みませんか。そうしたら政治犯として逮捕されます。男になれますよ。
新聞にもクスリのことは出ません。まあ、中に入ってその分は加算されますが。その方がいいでしょう」という具合に耳元でささやく。
「そうか、そんな方法があったのか」と、その右翼は喜んで犯行を起こす。公安も「人助け」ができたと満足する。
不名誉な罪ではなく、「国士」として刑務所に送ってやったのだから、犯人には感謝されるからだ。
表沙汰にはならないが、このような事件がかなりある。公安が「手柄話」として喋っていたことだから、本当だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節3項 心ならずもスパイになり、自殺した人間
前述の話は右翼担当の公安についてであるが、左翼担当の公安になると、やっていることがもっと謎だし、恐ろしい。左翼担当の公安は、協力者(スパイ)を使って捜査を進ろが、スパイを獲得するために膨大な金を使い、交通違反で捕まえ、別件で逮捕し、ありとあらゆる手を使う。あるいは弱味を握って脅す。
後で触れるが、心ならずもスパイになり、自殺した人間もいる。だがこれは氷山の一角だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節4項 疑心暗鬼にさせ、不信感を助長し、内部分裂を起こすのが公安の狙い
スパイを獲得するだけでなく、共産党や新左翼に身分を隠して潜入する公安もいる。なかには、自分も覆面、ヘルメットでデモに参加し、暴動を煽る。もっとひどいのになると、内ゲバにまで参加した公安もいるという(革マル派は、そう断言している)。中核派と革マル派の「内ゲバ戦争」で、革マル派は78人のメンバーを殺された。しかし本当は「権力の謀略部隊」(公安)が殺したのであり、中核派はそれに乗じて「犯行声明」を出しただけだと言っている。
にわかには信じられないが、その「証拠」の写真や資料も公表している。それについては第五章で書くが、そんなことがまことしやかにささやかれるほど公安の正体は謎であり、不気味な存在だ。
さらに、連合赤軍事件(1972年2月、連合赤軍の坂口弘ら5名が長野県の浅間山荘に立て籠もり、警察側[1000人以上]と銃撃戦を繰り広げた。また、その前に14人の仲間殺しが行なわれた)も実は公安のスパイが潜入していた、という説もある。だから、あんな陰惨な殺し合いをやったのだ、と言う。このことも第五章で書くが、そこまでは公安だってやらないと思う。
ただ、内ゲバにしろ連合赤軍事件にしろ、公安はそういう〈疑惑〉を彼らに植えつけたことは間違いない。疑惑の種をまき、不信感を助長することこそが、公安にしてみれば成功なのだ。なぜなら、疑惑はさらに疑惑を呼び、疑心暗鬼になり、殺し合いを拡大させたからだ。「公安のスパイがいる」「公安だからこそ我々の動きが全て分かるのだ」
「そういえば、A氏は逮捕されてすぐに出獄した。スバイになったから釈放されたのではないか」という具合に、どんどん疑惑は増長する。そして、査問だ、総括だ、処刑だ、となる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節5項 公安が事件を起こし、治安を攪乱させている
つまり、ぼくの言いたいのはこうだ。公安がいるために日本の治安が守られているのではない。逆に、公安が事件を起こし、治安を攪乱させているのだ。さらに彼らは姿が見えない隠密部隊だ。そして、アンタッチャブルであり、やりたい放題だ。実際に党派間の争いを掘り、内ゲバを引き起こすこともある。活動家をおだてて事件を起こさせることもある。さらには、「公安は恐ろしい」という幻影を与え、それに脅えて内ゲバをしたり、暴走させることもある。それも公安の戦略なのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節6項 公安があることによって不必要な事件が起こり、治安が乱されている
公安があるから日本の治安が守られているなんていうのは真っ赤な嘘だ。逆に公安があることによって不必要な事件が起こり、治安が乱されているのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節7項 国民1人1人に背番号をつけ、国民全てを監視しようとしている
「反共産主義シリーズ⑪[”予測警察”と”脅威スコア”による善悪逆転のクーデター]」でも触れましたが、マイナンバーカードに保険証など全てのデータを紐づけて監視対象にしたいのです。
この書では、こうした公安の実態を解明してみたい。ある意味ではこれは日本の闇だ。過小評価も危険だし、過大評価も危険だ。政治運動歴40年のぼくが見て、体験した公安についての全てだ。また、左翼や右翼といった運動家だけではない、一般の人々にとっても大きな問題だ。街には監視カメラがおかれ、盗聴は自由にでき、国民1人1人に背番号をつけ、国民全てを監視しようとしている。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章4節8項 公安が管理したいのはあなたたち一般市民
実は、公安は「過激派」やオウムや「国際テロ」の最近は、「中国🇨🇳やロシア🇷🇺の脅威」や「外国人や移民の脅威」を前面に押し出して、実は、あなたたち無実の一般市民を監視して管理しようとしているのです。
国民の安全を守るためには、国民全ての情報を把握する必要がある」という理由で、「安全」の名のもとに国民の「自由」が脅かされている。公安は「過激派」やオウムや「国際テロ」の脅威を前面に押し出して、実は、あなたたちを管理しようとしているのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節 民主主義を破壊する”不要な公安”
誰が「中国共産党🇨🇳の脅威」を煽り、「国家情報局(現代の特高警察)」を作って、大日本帝国🎌を復活させて、中国🇨🇳との戦争に国民を駆り立てようとしているか?誰が日本の民主主義を破壊しているのか?その「真犯人」が見えてくると思います。
第17章5節1項 警察は必要だが、公安は不要だ
はじめに言っておきたいが、警察そのものは必要だ。どんな時代になっても、なくなることはない。
いつか国境がなくなり、国家がなくなったときは、軍隊はなくなるだろう。だが警察は廃止できない。廃止する必要もない。たとえどんな理想的な社会になったとしても、交通事故はあるだろうし、泥棒、強盗、殺人などの事件もあるだろう。
政治的、あるいは宗教的革命によって、そうした犯罪や事故もなくせると考える人がいる。昔はぼくもそうしたユートピア社会の到来を信じたこともあった。皆がキリストや孔子のようになり、他人に迷惑をかけないで生きるようになれば、嫉妬もなく、争いもなく、盗みや殺人もなくなるだろうと考えていた。
しかし、それは無理だ。というよりも性急にそうしたユートピアを考えるのは危険だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節2項 公安が目指す死者のユートピア
公安の目指すユートピアは、「エプスタイン・ファイルの公開」などにより、政治家やエリートや諜報機関や金持ちや権力者の不正が暴かれず、政権交代も起きずに、永久に支配し続けられる世界だからです。
皆が欲望を捨て、どんな状況でも不平を言わないようになれば犯罪はなくなるかもしれないが、それでは個人の向上欲もないので競争原理が働かず、社会の活力もなくなるだろう。生きていても面白味がない。そうした世界は、いわば「死者のユートピア」だろう。
一部の指導者が(いかに聖人君子であっても)、「なぜ自分のようにやれないのだ」と怒り、「理想社会」を上から強制的に作っても、やはり「死者のユートピア」になる。なぜなら、権力者にとってはユートピアでも、住んでいる人民にとっては地獄だからだ。警察のない社会を夢みることはかえって危険だ。
人間が存在するかぎり争いは生じる。だから、調停する人間は必要であり、警察も必要だ。人間には競争心や向上欲がある。それは欲望や嫉妬、憎悪にもなる。それをどうコントロールし減らすのか、私たちはその方法を真剣に考えるべきだろう。その意味で、警察の仕事は重要だし、ご苦労なことだと思う。報われることが少なく、それでいて命をかける仕事だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節3項 巨大すぎる警備警察(公安)
これだけを押さえておいて次に進む。これからが本題だ。
日本の警察組織には大きく分けて二つの機能がある。「刑事」と「公安」だ。
よく新聞にも「刑事部と公安部」の対立と書かれることがある。あるいは「刑事警察」と「公安警察」の対立、「刑事」と「警備・公安」の対立、と書かれることもある。
警視庁には公安部があるが、他の県警は全て警備部のなかに公安課があるからだ。刑事警察は泥棒や強盗、殺人事件を追うのが仕事だ。一般の人々にとっては「警察」といえば刑事警察が全てだ。前に述べたとおり、ぼくも刑事警察は必要だと思う。たしかに、警察の不祥事や、強引で違法な捜査や冤罪の発生など、問題点はある。しかし、基本的には刑事警察は必要なものだ。
それに、刑事警察は非政治的なものだ。つまり、政権が自民党から民主党になろうと、あるいは(あまり可能性はないが)社民党や共産党になろうと、変わらずに存続するものだ。政権が変わったら急に泥棒や殺人事件や交通事故が減ったとか、増えたなんてことはない。
それに比べて、もうひとつの機能である「警備・公安」の方は政治的なものだ。そして攻撃的なものだ。まず警備の機能は主に、機動隊運営などの警備実施、災害時や雑踏での皇族に対する警護などである。警備警察といえば、首相官邸や国会や政府要人の警備を思い浮かべる人が多いだろう。かつて学生運動を経験した人ならば、デモの警備をする機動隊を思い出す人もいるだろう。「我々は整然とデモをしていたのに機動隊に殴られた」とか、「蹴られた」という人もいる。警備といいながら、やたらと挑発的だし、攻撃的だ。
警備も、今のようなあまりに巨大化した警備は必要ないが「最低限」なら必要だろう。
なぜなら、警備の〈敵〉であった左翼は当時の1000分の1から10000分の1になって絶滅寸前なのに、警備警察の組織規模は当時のままだからだ。それどころか、今でも増殖し巨大化し続けている。「警備・公安」と一緒くたに括られることが多いが、そのなかでも純粋な警備は最低限は必要だと思う。しかし、問題は公安だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節4項 公安警察と刑事警察の違い
日本の警察組織では、たとえば警察庁では警備局の下に公安課がある。警視庁では警備部や刑事部と同格に公安部がある。地方の県警では警備部のなかに公安課や公安係がある。この公安が、本当をいうと最も悪質であり、そして必要のないものだ。そのくせ、警察のなかでは最も大きな顔をしている。「俺たちこそが日本を守っているのだ」という自負を持っている。それは錯覚にすぎないのだが、それが鼻もちならない。
そもそも「公安」とは、「公の安全」「公共の安全」を守るという意味らしい。その主な機能は、右翼や左翼、その他の思想的、宗教的な過激集団の情報を収集し、その動向を監視することにある。さらに、不穏な動きがあったらすぐに逮捕する。可能であれば、事件が起きる前に一網打尽にする。たとえ不幸にして事件が起きても、そのときは8割がた仕事は終わっている。なぜなら事件を見れば、「これは○○派による犯行だ」とすぐに犯人を断定できるからだ。それだけ公安には情報があるし、過激派のことなら知り抜いている。さらに協力者(スパイ)も多数抱え、情報収集には万端を期している
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節5項 公安警察がなぜかエリートで出世する
また、公安はエリート集団だと言われている。公安の出身者たちが、どんどん警察組織のなかで出世し、偉くなる。
公安は、警察組織のなかで偉くなるための通過点なのだ。しかも、彼らには「俺たちこそが警察であり、俺たちが日本を守っている」という自負というか自惚れがある。
公安警察官が持つこうした自負は一般の国民には分かりにくい。一般の人々から見たら、〈警察〉といえば交番に勤務しているお巡りさんであり、駐車違反をしたときに切符を切るお巡りさんであるため、公安の実態を垣間見ることがほとんどない。その他には、〈警察〉と聞いて思い浮かべるイメージとしては、「火曜サスペンス劇場」や「土曜ワイド劇場」で活躍する刑事さんだろう。一般的には、こうした「お巡りさん」や「刑事さん」が日本の治安を守っているのだと考えられている。ぼくもそう思っていた。刑事さんには実際に会うことはないが、二人組で靴を擦り減らして聞き込みに歩き、それで犯人を捕まえる。それが警察の代表だと思っていた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節6項 公安警察の勘違いと誇大妄想
ところが、公安は自分たちこそが警察だと思っている。彼らの理屈はこうだ。
「刑事警察は泥棒や殺人犯を捕まえる。しかし、そんな犯人は取り逃がしたところでたいした影響はない。日本という国家にヒビが入ることはない。ところが自分たち(公安)は、日本に暴力革命を起こそうとか、クーデターを起こし日本を引っくり返そうとしている連中と闘っているのだ。自分たちがちょっと目を離し、捜査の手をゆるめたら、たちまちこの日本は混乱に陥る。だから、この日本を守っているのは自分たちだ」。このような自負を公安は抱いているのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節7項 泥棒や人殺しを捕まえるのなんて、どうでもいいと言うおかしな価値観
「泥棒や人殺しを捕まえるのなんて、どうでもいい。この国を過激派から守るのが警察の仕事だ」と断言する公安もいる。どんなに交通事故の件数が増え、泥棒や殺人事件がいくら増えようとも(社会不安はあっても)、それが原因で国家が引っくり返ることはない。ところが右翼や左翼やカルト宗教などはこの日本そのものを破壊・打倒しようと計画している。「そうなったら国家の安全も平和もない。だから、右翼や左翼のような「日本の敵」から国家を守るために命がけで我々は働き、闘っているのだ」というのが公安の論理だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章5節8項 頭のおかしなイデオロギー警察
左翼や右翼だって何も日本を滅ぼそうとして運動しているわけじゃない。だが公安は、「いや、右も左も現体制を暴力でもって打倒しようとしている」と決めつけ、自分たちの存在意義をアピールしている。つまり、これで分かるだろうが、公安はきわめて政治的だし、思想的なのだ。イデオロギー警察でもあり、彼らなりの理論武装をしている。それに、何よりも不気味なのは、闇に隠れていて絶対に表に姿を現わさないことだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節 やりたい放題の”愛国無罪”の仕組み
第二次安倍政権以降、愛国者を名乗るならず者が急増して、犯罪や罪を犯しても逮捕されず、泣き寝入りさせられるようになりました。そして、被害を訴えて裁判をしても、加害者が勝って被害者が負ける「正義と悪が逆転した理不尽な世界」になりました。実はその背後には「愛国無罪」と言う「二重基準(ダブルスタンダード)」があったのです。この仕組みにより、事実上、「司法制度は崩壊させられてしまった」のです。その「元凶と真犯人」について見ていきます。
第17章6節1項 無責任にやりたい放題の権力構造とエリート意識
刑事警察ならば捜査の状況について記者会見をしたり、マスコミに出て発表したりする。ところが公安は一切表には出ない。制服も着ていないし、一体どんな捜査をしているのかも明らかにしない。それでいて、国の治安を守っているのは俺たちだという自負がある。そして、やりたい放題なのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節2項 公安が右翼(ネトウヨ)を支援して守る構図
極端に言うと、日本の警察組織のピラミッドのなかでは、犯罪捜査や交通事故の処理に当たる現場の警察官よりも、
公安が上に位置するのだ。
後で詳述するが、右翼が街頭宣伝車を連ねてバレードをするときは、赤信号でも無視して通ることが多い(これは昔、ぼくもやったことだから自己批判的に言うのだが………………)。「我々は愛国団体の街頭宣伝隊です。一般車輛は止まりなさい」とマイクで怒鳴って赤でも渡った。さらに勝手に一般車輛を止めているのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節3項 ネトウヨの”愛国無罪”が罷り通る理由
右翼がモラルハザードを起こしていく理由は、公安が逮捕せずに、支援して守るので、ドンドン調子に乗ってエスカレートしていくからでしょう。なぜ日本では、ネトウヨや性犯罪者やイジメ加害者やパワハラ経営者が逮捕されないのか?疑問に思ったことはありませんか?裏から手を回して”ワザと”警察👮♂️が逮捕しなかったり、検察が起訴しなかったりするからなのです。
あるとき、こんな無法に義憤を感じたのか、交番からお巡りさんが飛び出してきた。先頭の街宣車に文句を言っている。そしたら即座に、後ろに付いていた公安が走ってきて、そのお巡りさんを逆に怒鳴りつけた。「この右翼は俺たち(公安)が面倒をみているのだ。お前らが勝手に文句を言うな」と言っている。
この会話を脇で聞いていた右翼活動家は、「ほらみろ、我々は愛国運動をやっているから信号なんか守らなくていいんだ。公安も分かってくれているのだ」と言っていた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節4項 公安の思惑は情報収集と思い通りにコントロールすること
違法行為をさせて弱みを握って、思い通りに支配してコントロールする仕掛けだとしたら、これほど恐ろしいものはありません。犯罪者だらけの維新など、弱みを握られて言いなりの駒にされていることが窺い知ることができます。
逆に「一水会」が執拗に嫌がらせされるのは、「ほとんど違法行為をせずに、独自の考えで行動して、言いなりの駒にならないから」「不都合な存在」だから、嫌がらせをされているとわかります。
「そういうものかな」とそのときは思ったが、違う。公安の思惑では、街宣車バレードに目をつぶることで右翼に恩を売り、それと引き換えに右翼の情報を収集しようとしているのだ。もっと言うならば、交通違反(信号無視)などで右翼を捕まえても自分たち(公安)の得点にはならない。捕まえるなら、もっと大きなことで捕まえたいのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節5項 公安に電話すると”愛国無罪”で違反を揉み消してくれる仕組み
その証拠に、スピード違反だって駐車違反だって公安はチャラにしてくれる。街宣車のときだけではない。普通車に乗っていて交通違反をしても見逃してくれる。ただし、スピード違反や駐車違反で捕まったときに、交通係のお巡りさんに「俺は右翼だ」と言ったって効き目はない。「それがどうした」と言われるだけだ。
だが切符を切られても、この後に公安に電話をすると、「分かりました」といってチャラにしてくれる。
法律を引っくり返してくれる。凄い力だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節6項 公安が日本を支配しており、公安こそが国家と言う勘違いエリート意識
これでは交通係のお巡りさんとしては頭にくるだろうが、それだけ公安の力は絶大であることを象徴しているように思う。彼らが国家を守っている、いや、公安の意識のなかでは彼らこそが国家なのだろう。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節7項 犯罪を揉み消してくれる公安
ぼくは公安とはつき合わないようにしているが、一度だけ交通違反の揉み消しを頼んだことがある。知り合いの女性がスピード違反で捕まったときのことだ。もう点数がなくて免許停止になるから、「右翼は警察に顔が効くんでしょう。チャラにしてもらってよ」と泣きつかれたからだ。嫌だと言ったが、何度も頼まれ断わり切れずに引き受けた。「一応言ってみるけど期待しないでくれよ」とぼくは言った。でも公安に電話をしたら一発でチャラにしてくれた。こんなことがあっていいものかと驚いた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節8項 法治国家が崩壊して三権癒着の独裁になった理由
映画「BLACK BOX DIARIES」で描かれたので分かる人には分かるかと思いますが、「エプスタイン・ファイル」のように、安倍さんの友達なら、警察長官から指示を出させてレイプ犯の逮捕を阻止して、揉み消してくれる「BLACK BOX な仕組み」があるのです。
ただ、今は少し厳しくなったという。そりゃそうだろう。こんな話が広がって
「私の駐車違反を取り消してくれ」「スピード違反をチャラにしてくれ」と一般の人が右翼に頼み、それを全て公安に頼んだら大変だ。これじゃ法律が意味をなさない。あまりに多くなると、「これは捜査上必要なんだ」と公安も説明できなくなる。
だが、街宣車については今でもやり放題のようだ。たとえ赤信号を無視しようと、大音量を流そうと、どこに駐車しようと公安は見て見ぬふりだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節9項 違法を訴えた住民を怒鳴りつける反社公安
ぼくの家の近所に、駐車禁止の路側帯にいつも路上駐車している大きな街宣車がある。たまりかねて住民が110番した。普通なら即刻、レッカー移動される。ところが右翼の車だということで電話は公安に回された。そして住民は公安に怒鳴られた。「そんなどうでもいいことを、なぜ告げ口するんだ!お前は誰だ。住所と名前を言え!」と。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節10項 公安を敵視する右翼は徹底的に弾圧する公安
左翼に対しては「協力者」(スパイ)を獲得し、情報を得て、捜査しようとする。右翼に対しては、公然とつき合い、酒を酌み交わし、ときには交通違反を揉み消して恩を売り、手なずけようとする。だから右翼のことは右翼以上に知っている。
ただ、「公安は敵だ」と言ってつき合わない右翼に対しては徹底的に弾圧する。何かと理由をつけて、尾行、張り込み、ガサ入れをする。ぼくなどは何十回もガサ入れをやられたことは前述したとおりだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節11項 公安に手なづけられたビジネス右翼が我が物顔で蔓延る訳
弱みを握ったり、買収したりして、思い通りに日本社会をコントロールすることこそ、公安の真の狙いで、それがエリート意識の正体でもあるのです。
知人の右翼活動家にこんなことを言われたことがある。「馬鹿だな。公安とはうまくつき合って、ときには一緒に酒を飲めばいいんだよ。そうしたら弾圧もされないのに。ガサを入れるときだって、事前に教えてくれるよ」
しかし、本当はそんなに甘くないのだ。それは序章でも書いた通りだ。公安は「アメとムチ」を使い分けて情報を収集し、左右の活動家たちを掌握しようとする。そのためにはどんなことでもする。それが公安の本質だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節12項 公安の監視体制の例(公安と最寄りの警察署の監視体制)
ぼくが一水会の代表をしていたときは、「一水会担当」の公安だけで5人もいた(一水会の専従活動家は3人もいないのに)。この5人の公安が常時、メンバーを見張っている。一水会は非合法闘争を捨て、どんなことがあっても非合法、非公然活動はやらないと決めたし、そう公表もしている。にもかかわらず、公安は相変わらず張り付き、勉強会や集会、デモにどんな人が来ているか、新しい人はいないか、それをチェックしているのだ。不愉快だし、気分が悪い。
東京に在住する一水会の活動家に対しては、警視庁公安部が目を光らし、動向を監視している。
地方に在住する一水会の活動家に対しては、所轄の県警の警備部が見張り、監視する。
たとえ、とっくの昔に運動から足を洗い、郷里に帰って家業を継ぎ、ぼくら一水会のメンバーとも連絡はとっておらず、完全に一般市民に戻ったとしても、公安は動向を把握し定期的に訪ねている。
公安に監視されつづける人は「わずらわしい。来るな!」と怒る人が多い。でもなかには、「まだ俺も公安に目を付けられているのか」と喜んでいる人もいる。どっちにしろ膨大な税金の無駄使いだ。東京の活動家を監視するのは警視庁公安部だと述べたが、実をいうと、その下の所轄の警察署の警察官も見張っている。
ぼくは中野区に住んでいるが、中野警察署の警備課の公安担当がぼくの家をチェックしにくる。重複しているし、ややこしい。中野署の人間に言わせれば、「中野区に住んでいる左右の過激派を把握しておきたい。そして中野区では問題を起こさないでほしい」ということなのだ。こっちは会う理由がないから放っておくと、ドアを叩きながら、「中野署の者です」と大声で叫ぶ。近所迷惑だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章6節13項 警察庁は「頭脳」で、実際に動いているのは警視庁
定期的にぼくのようなブラックリストに載っている人間の住居を訪ね、「中野署管内一 右翼や左翼は静かにしているか、変な動きはないか」と聞いてまわることを、彼らはノルマとしているのだろう。
また、外国の要人が来日しているときや、政治的に大きな行事があるときも巡回する。さらに、五・一五事件や二・二六事件の日、海軍記念日、陸軍記念日、終戦記念日などにも巡回する。「右翼が決起するときは必ず何かの記念日だ」という先入観があるのだ。
といっても、これは中野警察署の公安が独自にやっているのではない。彼らは、その上の警視庁公安部の指示のもとに動いている。さらにその背後には、警察庁警備局の指示があるのだろう(警察庁は「頭脳」で、実際に動いているのは警視庁だ。だから警視庁公安部の指示でやっている)。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節 公安警察の歴史
まともに書くと大変なので、公安警察の歴史についてざっと触れておきます。もっと詳しく知りたい人は、青木理著「日本の公安警察」を読むことをオススメします。
第17章7節1項 公安警察の誕生
次に、公安の歴史についてざっと触れてみる。1945年8月、日本は戦争に敗けた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節2項 国民を抑圧し、監視し、何かというとすぐ逮捕し、拷問する特高(特別高等警察)の廃止
アメリカの自由と民主主義がドッと入ってきて、政治も社会も教育も全てが変わった。そうした時代のなかで、警察の在り方も大きく変わった。悪名高い特高(特別高等警察)、治安維持法は廃止され、共産党幹部は釈放された。国民を抑圧し、監視し、何かというとすぐ逮捕し、拷問する旧い警察はなくなったのである。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節3項 警察の存在理由は大きく変わった
敗戦を境に、日本の警察は国民の警察、民主警察になったはずだった。戦前・戦中は警察が国民の「思想」を取り締まったが、これからは個人が心の中で何を考え、発表しようと自由であり、思想・表現の自由が約束された。その自由や民主主義を守るために警察は存在し、警察の存在理由は大きく変わったのである。
事実、敗戦直後、人権指令や政治犯の身柄釈放などが矢つぎ早に行なわれ、1945年10月には特高的な旧悪を一掃する措置が次々と断行された。特高は全て廃止され、保護観察、予防拘禁なども廃止された。治安維持法、思想犯保護観察法、警備局保安課も廃止された。警察が個人の思想を監視することはもうないと思われた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節4項 公安警察の誕生
この公安警察が復活した時に、クビになった特高警察が密かに再雇用されたと言う事実も抑えておく必要があります。要するに凶悪な大日本帝国🎌の戦犯が、逮捕も処罰もされずに、のうのうと生き残ったのです。それが、高市政権による現代の大日本帝国🎌の復活に繋がっているのです。
ところがこの警察の大改革の二ヵ月後の12月14日、各府県に警備課(後にこのなかに公安課が設置される)が設置される。「公安警察」の誕生だ。しかし、この誕生には謎がある。敗戦からたった4ヵ月で、警察の民主化を進めている真っ只中にこんな「反動的」なことが行なわれたのはなぜだろうか。
考えられる理由としては、アメリカ占領軍が、「民主化」の行き過ぎに気づいたからだろう。このままでは共産党が政権をとるかもしれず、そうなれば中国、ソ連が大きな影響力を持つかもしれない。
刑務所から釈放された徳田球一ら共産党幹部は占領軍を「解放軍」といって称えた。また、野坂参三は中国から帰国し、凱旋将軍のような熱烈な歓迎を受けた。「これはやり過ぎたか」「これは危ない」と占領軍は危機感を募らせ、共産党をどう見るかで、占領軍内部のGS(民政局)とG2(参諜二部)の対立もあった。
さらに日本政府の危機感もあった。
だが、占領軍と日本政府が最も恐れたのは、治安の「真空状態」であろう。12月に各府県に警備課が創設されたが、はじめはそれほど政治的な思惑はなかったのかもしれない。当時、日本は混乱の真っ只中であり、それに乗じていろいろな勢力が破壊活動を行なう可能性があり、それに備えようということだったろう。ところが、「破壊活動」を行なう中心は共産党であると考えられ、警備の対象が共産党中心にしぼられていった。この後も「民主化」は進み、同時に治安(公安)への配慮も忘れず、強化されている。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節5項 公安調査庁の設置
1946年には「公職追放」が行なわれ、日本国憲法が公布される。しかし、47年1月、マッカーサーは二・一ゼネスト禁止を指令。民主化は歓迎だが社会を混乱させる破壊活動は許さないとして、共産党の躍進を阻んだ。この年の11月、内務省を廃止し、日本の軍国主義的なものを一掃すると同時に、共産主義の台頭を抑えた。また、巷には「共産革命」の噂も流れていたため、占領軍も日本政府もナーバスになっていた。
とくに1950年の朝鮮戦争の前後にその緊張はピークに達する。1949年には下山事件、三鷹事件、松川事件が起きる。当時の政府も警察も、「共産主義者の一連の犯罪だ」と決めつけ、共産主義への恐怖を煽った。警察は急激に公安主導型になり、共産党の脅威が喧伝された。
1951年には「血のメーデー事件」が起き、東京で初の騒擾罪が適用された。これこそ治安強化の絶好のチャンスと政府・警察は考え、公安警察の機構強化が進められた。
1952年には破壊活動防止法にもとづき、「暴力主義的破壊活動を行なった団体」を調査するため法務省の外局として公安調査庁が設けられた。
1954年に、国家地方警察と自治体警察の二本立てを廃止した上で、中央に警察庁を置き、都道府県警察に一本化した。これを以て中央集権的警察機構が完成した。
1957年4月には警視庁に「公安部」が設立される。全国の都道府県警組織で、「公安部」はここだけだ。他は、警備部のなかの「公安課」か「公安係」だ。東京の公安警察の重要性をうかがわせる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節6項 安保闘争と右翼テロ
そして60年安保を迎える。
「革命前夜」といわれ日本中が騒乱の渦に巻き込まれた年だ。「安保反対」のデモが連日国会を取り巻き、そのなかで東大生の樺美智子さんが死んだ。機動隊に殺されたとして、「虐殺抗議デモ」が行なわれた。この「革命前夜」に右翼も危機感を抱き、テロが続発する。
1960年6月、河上丈太郎社会党顧問刺傷事件、7月岸首相刺傷事件が起きる。そして10月12日には浅沼稲次郎社会党委員長が17歳の愛国党員・山口二矢に刺殺される。翌1961年2月1日、中央公論社長宅にやはり17歳の愛国党員・小森一孝が押し入り、お手伝いさんを殺害し、夫人に重傷を負わせた。雑誌『中央公論』に掲載された深沢七郎の小説「風流夢譚」が、皇室を侮辱したもので許せないというのが襲撃の理由だった。
これまでは公安部は共産党が第一の監視対象であり、次には共産党から分かれた反日共系、新左翼系が対象だった。
右翼などは放っておけばいい、むしろ右翼は「味方」であり「飼いならしている」と思っていた。実際、警察の別働隊のような動きをする団体もあり、「安保反対」のデモを襲撃する団体もあった。だから、こうした動きを警察はなかば黙認していたのである。しかし、右翼テロにより次々と要人が刺され、殺人事件が起きたとあっては右翼を放っておくことはできなくなった。
こうして右翼を専門に監視し取り締まる「公安三課」が警視庁公安部のなかに設置され、右翼も警察の〈敵〉と見なされるようになる。1960年後半はベトナム戦争、中国文化大革命があり、日本では学生運動の嵐が全国で荒れ狂った。それに併せて、公安の予算と人員は飛躍的に増大した。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節7項 “よど号”ハイジャック事件と浅間山荘事件
そして1970年。新左翼の側からは「70年安保」「70年決戦」が叫ばれたが、不発に終わった。圧倒的に優勢な警察力の前に、新左翼の学生、労働運動は潰されていったからだ。
かつてのように集会やデモに数千から数万人の人が集まることもなく、大衆運動 もできない。残された手段は少人数の精鋭分子がゲリラ化して運動を続けるしかなくなるが、それも警察が圧倒的な力で潰す。
1970年3月には「よど号」ハイジャック事件があり、11月には三島由紀夫事件があった。1972年には連合赤軍事件があり、陰惨な「仲間殺し」が発覚した。この事件を機に、「左翼は終わった」と多くの人々は思った。1974年には東アジア反日武装戦線〈裂〉による連続企業爆破事件が起こる。これが武装闘争最後の徒花となった。
1970年直前から、公安活動の目的は変質し、公安は、かつてのような「共産党対策」「学生運動対策」から、「極左暴力集団対策」になった。もちろん共産党対策も重要視しているのだが、それよりも「社会の敵」「国民の敵」である極左暴力集団と闘うことに重きを置くようになる。
こうして、時代の要請で、警備警察は巨大化し、機動隊員も激増した。70年代に入る と、全共闘もこれらの圧倒的な「警備」の前に押し潰された。
ここでひとつ指摘しておきたいことがある。大衆的な学生運動はもうなくなり、数千から数万人規模の集会やデモはない。それならば、警備や機動隊は縮小していいはずなのに、そうはならなかったということである。お役所仕事というものは、いったん増えた予算や 人員はどんなことがあっても手放さない。警察だって同じだ。強大化した組織規模に見合った仕事がなければ、作ればいいのだ。
「大衆運動はなくなった。学内でストを打ったり 街頭で暴れる連中はいなくなった。しかし、少人数になりゲリラ化し、より狂暴になっている。だから警備はますます必要だし、もっと予算と人員を!」と、警備警察は自らの存在理由を強調し、さらなる予算拡大を要求した。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節8項 巨大化する公安警察
また、時代の動きも彼らにとっては好都合に作用した。70年代にはゲリラ闘争や爆弾事件が多発したからだ。1970年には「よど号」ハイジャック事件があり、72年には 連合赤軍事件、74年には連続企業爆破事件があった。これら一連の事件を機に警備はさらに強化され、巨大化する。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節9項 公安が大勢で潰す事で、追い詰められて暴発させる手口を考案する
別の見方をすれば、巨大な「警備・公安」が学生を暴走化させたともいえる。
つまり、窮鼠が猫を噛んだのだ。新左翼と呼ばれた学生たち(警察からは過激派と呼ばれるが)は、何もゲリラ闘争が目的で運動をやっていたわけではない。それは手段だ。数千から数万の人が集まりデモが可能だった60年代までは、
自らの政治主張を人々に訴えることができた。ところが、力ずくでデモを潰されるとそれもできない。運動についてきた学生たちも見限ってしまう。
でも活動家たちはやめられない。彼らには使命感があるし、革命家としての面子もある。そこで、少人数でも実行可能な政治活動とは何かを考える。その結果、ゲリラだ、爆弾闘争だ、となる。
つまり、追い込まれ、追い詰められて彼らは暴発していたのだ。「日本にはもう俺たちの住む場所はない」と考えて赤軍派の9人は「よど号」をハイジャックして北朝鮮に亡命した。今考えると不思議だが、当時の赤軍派は北朝鮮よりも日本の方が抑圧され、警察・権力に弾圧されていると思ったのだ。だから北朝鮮に「亡命」したのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節10項 ホントに錯覚・被害妄想だったのか?
これを「窮鼠」たちの錯覚、妄想にすぎないと笑うのは簡単だ。しかし、巨大化した警察の力は彼らにそう思わせたのだ。この後に続く連合赤軍事件や連続企業爆破事件なども、「窮鼠」たちの錯覚や異常な被害妄想に駆られての暴走であり、巨大な警察の幻影に脅えての暴走だった。
逆にいえば、被害妄想がなければあのような暴走もなかったとは考えられないだろうか。70年代以降は、もう学生は政治運動についてこない。プロフェッショナルな活動家の数もほんの少しだ。こうなると社会への影響力もたかが知れている。それならば集会だろうとデモだろうと好き勝手にやらせ、新聞・雑誌やテレビも彼らに自由に発言の場を与えればよかったのだ。彼らが信じ、依拠する「人民」に直に、自由に訴えさせればよかった。それでも人民が動かなければ、自分たちが間違っていたと気づくだろう。闘いの方法が悪かったのであり、そもそも革命の思想が幻想にすぎず、人民は自分たちを必要としていないことを思い知ったであろう。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節11項 シオニストのパレスチナ人弾圧のような公安の根絶やし作戦
ところが警察やそしてマスコミも、これとは反対のことをやった。過激派根絶やし作戦をする。デモや集会はできない。アパート・ローラー作戦で住む家もなくなる。合法的に活動しようとしても、その場はない。結果として、非合法活動でもいいから人民に訴えるしかないと思うようになったのであろう。
また、彼らはこう考える。「警察がこれだけ弾圧するのは我々が正しいからだ。我々の考えが人民に届くのが恐いのだ」。そしてさらに使命感に駆られる。「窮鼠」たちの思い込みを補完し、正当化しているのが公安だ。そういう図式になる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節12項 今も変わらない過剰なデモ警備による民主主義の威嚇
今もこれは変わっていない。過激派なんてほとんどいない。
たまにデモをすると、その周りを数十倍もの機動隊が取り囲んで一緒に歩いている。この光景を見て、「あれ、機動隊がデモをしているよ」と驚く人がいるが、機動隊のデモではない。外からは見えない!中に数十人のデモ隊がいる。こういうのを「サンドイッチ・デモ」という。
ハムやレタスや卵などを両側からパンが挟む。それと同じなのだ。しかし今は数十人から数百人程度のデモを数十倍もの機動隊で取り囲む。パンばっかりで、中のハムやレタスは見えない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節13項 陰湿なイジメのような手口の市民弾圧の手口
パレスチナ人🇵🇸を弾圧&迫害するイスラエル人🇮🇱のようなことをしており、監視技術など彼らと相性が良いことがわかります。日本のメディアが終始一貫して、イスラエル🇮🇱寄りの報道をし続けているのも、パレスチナ人🇵🇸の抵抗やハマス🇵🇸の抵抗を、なんとか正当化したくない、と言う意図も透けて見えます。実際問題もはや国際社会では、ハマス🇵🇸は自衛権を認められ、テロリスト💣ではありません。イスラエル🇮🇱が本物のテロ国家💣なのです。
さらに、数に物をいわせて、デモ隊を小突いたり、棚を彼らの足に落としたりする。それも外部からは見えないようにやる。それでデモ隊がカッとなって向かってきたら、「暴行だ!」「公務執行妨害だ!」といって逮捕する。デモ隊はやられっ放し、なぶられっ放しだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節13項 被害妄想に駆られた公安がデモ隊を「陸海空立体包囲」する
こんなデモだって事前にきちんと許可を取ってやっている。それなのにこんな乱暴狼藉を受けている。
集会、結社、表現の自由は憲法では認められているはずなのに、実際にはない。成田では空港反対闘争が今も続いている。全国動員をかけて新左翼が400人ほど集まる。しかし、その10倍以上の5000人ほどの機動隊が前後左右から取り囲む。さらに上空からはヘリコプターで警備、監視する。「サンドイッチ」どころではない。立体的な包囲、警備なのだ。そこまでやられてもデモをやるのか。切ない気がする。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章7節14項 民主主義を破壊する公安警察
結論ありきで、レッテル貼りをして悪魔化したり、デマや悪評で悪人に仕立てたりせざるを得ないのは、存在意義が無くなっては困る「公安の保身による都合」だと言うのが分かります。そして、中国🇨🇳の脅威を煽って、中国🇨🇳との戦争に向かわせているのも彼らだと言うことが見えてきます。
しかし、皮肉なことに、独り勝ちになってしまえば、「公安の存在理由」もなくなる。
だから、「まだまだ極左もいる。爆弾闘争を考えている」「右翼も言論闘争などと言っているが嘘だ。偽装だ。暴力でしか自らの思想を表現できないのだ」と決めつけ、公安の存在理由をアピールする。こうなると「日本の危機」は左翼や右翼の問題ではない。実は、全ては「公安問題」だと言いたくなる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節 なぜ税金で日本共産党を狙うのか?
ここまで、見てきたら、市民を監視して、デモをさせない圧力をかけるなど、民主主義を破壊して、権力者や金持ちの思い通りに日本を支配して、コントロールする手助けをしている「エプスタインファイルの加害者を擁護する組織」であることは薄々気づいているとは思います。この節では、公安がなぜ日本共産党を執拗に狙うのか?その理由を見ていきたいと思います。
第17章8節1項 警察だけが、差別と偏見の目をもって共産党を見ている
敵や悪人で居て貰わなくては、今までの加害の罪を認めざるを得なくなり、自分たちが困るから、「事実が認められない」「意地でも”事実”を認識することができない」のだとわかります。イジメ加害者がイジメ被害者に落ち度やイジメられる理由があって貰わなくては困るのと同じ心理です。
しかし、警察だけが、差別と偏見の目をもって共産党を見ている。だから、スパイを使ってまでも共産党の情報を集めている。税金の無駄使いだ。
というよりも、この捜査自体が犯罪だと思う。それに、どれだけの金と人員が共産党対策に使われているか、よく分からない。なぜなら捜査の内実を発表しないからだ。「協力者(スパイ)」に金をいくら払っているか、どれだけのスパイを抱えているのか、どうやってスパイを獲得するのかは全く分からないのだ
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節2項 公安の予算は「裏金」!?
北海道や京都、福岡などで警察の裏金作りが問題になった。許されないことだ。
しかし、これはマスコミが批判できるし、自浄作用も働く。また、警察の責任者も顔を出してくるし、謝罪する。
だが、これは警察のなかでも、刑事警察という「表の警察」だからできることだ。殺人犯や泥棒を捕まえる刑事警察や交通警察などは一般の人にも顔の見える「表の警察」だ。
それに対し、公安警察は一切顔を出さない「裏の警察」だ。どんな捜査をし、どれだけ金を使っているか、一切秘密だ。共産党や右翼や新左翼のスパイ捜査に、どんな名目でどれだけ金を使っているかも秘密だ。だいたいスパイが本名で領収証を書くはずがない。領収証なしか、書いたとしても偽名だ。
つまり、極端なことを言えば、公安の金は全て「裏金」だ。でも、国会で取り上げられることはない。マスコミも怖くて報道できない。だらしがない話だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節3項 公安は犯罪を助長したり、右翼をけしかけて犯罪を作っている。金は裏金
『警察はここまで腐蝕していたのか』(洋泉社)や『警察幹部を逮捕せよ』(旬報社)などの本を出し、警察の不祥事を糾弾している宮崎学にはよく会う。
彼にこんなことを尋ねたことがある。「刑事警察の不祥事はこうして外に出るし、暴かれる。しかし、なぜ公安警察の不祥事は表に出ないんだ。公安なんて全て「裏金」だし、公安という存在自体が「不祥事」じゃないか」と。「確かにそうだ」と宮崎は言う。「でも公安は優秀だし、結束力が強い。だから外には洩れてこない。その点、刑事警察は馬鹿だから」とすごいことを言う。
しかし、いつかは公安警察の実態も白日のもとに曝されることもあるだろう。
それにしこのような公安の無法が許されるのか。左右両翼の過激派を見張り、犯罪を防止しているというが、公安が存在することで、逆に「こいつはスパイじゃないか」と疑心暗鬼になり犯罪を起こし、暴走することも多い。公安は犯罪を予防するのではなく、助長している。また、右翼などをけしかけて、犯罪をつくってもいる。それも公安という存在を認めさせるためだけに。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節4項 共産党を警戒するのはなぜか
まるで洗脳された統一協会🏺の信者が日本共産党をやたら敵視するように、公安も日本共産党をやたら敵視するように洗脳されています。
百歩譲って、右翼団体や左翼団体や狂信的な宗教団体への対策、犯罪予防、捜査は必要だとしても、何も悪いことをしない共産党を主要敵にするのはおかしい。
公安としては、「いや共産党はまだ武力革命の路線を捨てていない。40万人の党員が決起したら大変だ。だからこの平和な日本を守るために共産党を監視するのだ」という。しかし、万が一、そんなことを考えている共産党の幹部がいて、「銃をもって革命のために立ち上がれ!」と言ったとして、誰も立ち上がりはしない。みな辞めてしまう。
その点を公安はどう思っているのか。元公安の人間に聞いたら、こう言っていた。「いや、そんなことはない。辞める人間はいても何割かは残る。それが怖い。少しでも危険があれば備えるのは当然だ」と。警察のなかで教育され、そう洗脳されたからか、あるいは「共産党が武装蜂起することはない」と思いながらも、公安という仕事に入った以上、割り切ってそう考えて仕事をしているのか。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節5項 公安記者
新聞社には警察詰めの記者がいて、そのなかに一人か二人は公安担当の記者がいる。彼らのことを公安記者という。
彼らと話しても、「公安は実態がつかめない」と言う。「公党である共産党にスパイを送りこんでいる。これだけでも大問題じゃないか。新聞でキャンぺーンを張るべきだ」と言っても、「ウーン」と言って黙ってしまう。公安の手口は汚いと思っても叩けないのだ。それをやると警察を敵に回すことになるし、他の捜査の情報ももらえなくなる。そう思っているのだろう。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節6項 なぜ共産党だけが公安に脅威だと認識されているのか?
では、他の政党はどうなのか。共産党だけが危険な政党と目され、いわばオウム真理教と同じに見られている。
公安の人員と予算の半分近くが共産党対策に使われている。たとえ政策は違うとはいえ、公党に対するこの警察のやり方は議会制民主主義の否定ではないのか。「立法の独立」を守るというなら、まずこの問題から議論するべきではないか。それに、「共産党だけが危険」という言い草もおかしい。社民党は今でこそ凋落したが、社会党時代、60年安保、70年安保のときに、華々しく闘ったし、社会党の青年部だった社青同(社会主義青年同盟)は社会党を飛び出し、暴力革命を呼号する新左翼過激派になった。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節7項 公明党が脅威で監視されない訳
公明党だって昔は暴れていた。左翼的だったときもあるし、「人間社会主義」と綱領に書いていたときもあった。母体の創価学会は「新学同」という学生組織を作り、へルメットをかぶって集会をしていたときもあった。
「公明党が政権をとったら創価学会が国教になる」と噂が流れたときもあった。でも警察は「脅威」とは思っていないし、監視もしない。「怖い」のは共産党だけなのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章8節8項 弾圧されている共産党のおかしさ
こんな疑問を公安記者にぶつけてみた。「鈴木さんの気持ちも分かるけど」と前置きして、こんなことを言う。
「社民党はもうないも同然だし、公明党は与党だから大丈夫だ。共産党はなにせ40万人の党員がいる。
万が一、暴力革命に決起したら大変だ。それに世界中、どこでも共産党は監視されていますから」
でも、外国の共産党と日本は違うだろう。こんな理由だけで弾圧されている共産党はかわいそうだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」よりこの辺は「エプスタイン・ファイル」が明らかになってきて、西側諸国🇺🇸🇪🇺🇯🇵が没落して、BRICSが台頭するようになってきて、ようやく見えてきたように思います。
要するに「エプスタイン・ファイルに出てくる金持ちや権力者を守って、告発する被害者を潰したり、事件を追及するジャーナリスト排除する”権力者たちの汚れ仕事”を請け負っているのが、公安の仕事の本質である」と言うことです。「権力者や金持ちの腐敗や不正を追及する共産党や正義の一般市民を敵視する本当の理由」な訳です。
第17章9節 スパイ育成と手口「スパイの育成学校」
陸軍中野学校は、かつて日本陸軍が設置していた「スパイ(諜報工作員)」の養成機関です。東京の中野に校舎があったことからこう呼ばれました。「たった一人が一個師団に相当する働きをする」スーパーマンの育成を掲げ、秘密戦(諜報・謀略・防諜)を専門に教えました。軍服ではなく背広(民服)を着用し、髪を伸ばすことも許されるなど、軍人らしさを消して一般人に紛れ込む訓練を受けました。約2,000人超の卒業生は、アジア各地や日本国内で諜報活動やゲリラ戦の指導に従事しました。
そして、その中野学校の出身者が、陸上自衛隊の情報部隊や公安の「スパイの育成学校」として引き継がれ、諜報・防諜のノウハウを教えていました。
第17章9節1項 スパイ・育成の方法
では、ここで公安がどういうやり方で協力者(スパイ)を獲得・育成しているか、その方法を見てみよう。もちろん、公安はその方法を絶対に発表しないから実態は分からない。公安を辞めた人間は組織内部の情報を語るととはない。秘密は厳守されている。しかし、唯一の例外がある。
元沖縄県警公安警察官だった島袋修氏は、その著書『公安警察スパイ養成所』(宝島社文庫)のなかで、衝撃的な告発内幕レポートを書いている(以下の記述はとくに断りのない限りこの本に基づく)。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節2項 スパイにした共産党少年が自殺して告白
それにしても、こんなことが洩れるなんて稀有だ。よほどのことがあったんだろうと思ったら、島袋氏が抱えていたスパイが自殺し、それで良心の呵責を感じ、全てを告白する気になったという。
島袋氏は、何人ものスパイを抱えていたが、そのうちの一人であるA少年には高校生だったときに接近し、スパイにした。警察庁登録コードネーム「A-6」がA少年に付けられた名前だ。A少年が島袋氏宛てに遺書を残して首吊り自殺をしたのは平成4年8月。そのときは島袋氏は退職した後だった。公安は退職しても、後任の者がそのスパイを引き継ぐ。A少年は後任の公安とはうまくいかず、苦しんでいた。
自分がスパイであることが共産党にバレるのではないか、こんなことをしていいのか、党に密告されるのではと不安と強迫観念に追い込まれて自殺した。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節3項 足下をみて少年を買収してスパイにした
後任の公安との関係がうまくいかなかったとはいえ、責任は島袋氏にある。スパイに誘い込み、地獄に引きずり込んだのだ。島袋氏は、A少年が高校時代、「赤旗」を配っているのを見かけ、「ご苦労さん」「共産党には頑張ってもらいたいね」と自然に声をかけた。
怪しまれないように、巧みに近づき、スパイにする。マンションを借りてやり、月の小遣いも八万円払った。
A少年はいい情報を流してくれたし、人間的な関係も強くなり、「兄弟のような感情だった」という。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節4項 永く潜伏するスパイはいつか必ず裁かれるという遺書
「日本を守るため」の愛国的な闘いをする同志だったのだ。しかし本当の同志にはなれなかった。金のために共産党の資料を盗み出す、薄汚いスパイにかわりない。そして自殺した。「永く潜伏するスパイはいつか必ず裁かれる」と遺書にはあった。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節5項 公安の仕事は、人間から人間らしい気持ちを奪い、犯罪者をつくること
人間から人間らしい気持ちが奪われたネトウヨやアンフェが急増しているのは、彼らが、公安などの諜報機関が民間防衛組織として育成した手先のスパイ🕵️♂️だからだと考えると、妙に腑に落ちます。それならば、自分で考えて正しい決断をしたり、事実を受け入れられず、中国🇨🇳との戦争に邁進せざるを得ない理由も垣間見えてくる気がします。
島袋氏は理想に燃えた公安だった。それまで自分の仕事に悩み、迷ったことはない。
しかしA少年の自殺はショックだった。自分はどう責任をとるべきか悶絶した。そして全てを告白しようと思った。
島袋氏は公安としてあらゆることを行なった。盗聴、脅迫、住居侵入、スパイ養成。本人はそれを悪いことだとは思わないし、むしろ危険が多いだけ国のための英雄的行為であり、「正義」だと思ったという。
ところが公安を退職し、A少年に自殺され、島袋氏は悟る。自分が警察時代に果たしていた任務は、「人間から人間らしい気持ちを奪い、犯罪者をつくることであった」と。「公安警察はペテン師集団、偽善者集団であった」とまで言い切る。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節6項 反社・反共カルトに洗脳された公安1万人
しかし、ここまで言い切り、告発する公安警察官は、例外中の例外だ。公安と呼ばれる人間がどれだけいるかは正確には分からない。警察庁で約1000人、警視庁で約2000人。それに、各県警の警備部の公安課や公安係。それらを合わせると、全国で10000人近い公安がいるのだろう。そのなかで、内部告発したのは島袋氏1人だ。0.01%だ。
あとの圧倒的に多くの公安は、自らの「正義」を疑わず、使命感に燃えて仕事をしている。
また、辞めた後も、頑に守秘義務を守っている。これは驚くべきことだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節7項 公安エリートを養成する「中野学校」
共産党を日々監視し、あらゆる違法行為をやってまで情報をとろうとする。そのことにやましさは感じない。いや、使命感を感じる。そういう人間を作るのだから、公安はすごい「洗脳教育」をしている。
これだけ完璧な反共教育をしているところはない。右翼団体だってとても真似できない。元来、共産党に反撥する人々が警察官になる。共産党員はもちろん、親類や近い友人に共産党の人がいても警察官にはなれない。反共的素地のある人に、警察学校では「さらに反共教育をする」。
そして思想的に優秀な人間をピックアップして公安に回す。さらに公安のなかでも優秀な人間を東京中野にあった警察大学校に集め(現在は東京都府中市に移転)、エリート教育をした。ここは通称、「中野学校」と呼ばれた。かつてあった陸軍中野学校に準ずる「スパイ養成講座」を叩き込むからだ。
島袋氏はここに入る。なぜ入れたのか。1981年、スパイであるA少年の手引きで民青沖縄県委員会の事務所に侵入し、大量の内部資料を盗み出した功績が認められたからだ。
民青とは民主青年同盟といい、共産党の青年組織だ。島袋氏はその「盗みの腕」を買われて、沖縄からはただ一人、中野学校への入学を許され「警察大学校警備専科教養講習」を受ける。そこでは、どうやってスパイを獲得し、育成し、使っていくか、その秘密のノウハウが徹底的に教え込まれる。共産党だって組織防衛をするために警戒している。その壁を破るためには、狙った人物に「ごく自然」に出会い、接触を試みる必要があり、そのアプローチの仕方を学ぶのである。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節8項 追い込んでスパイに勧誘する手口
まず、共産党のなかから、これは落とせそうだと思う人間を見つけ、偶然に、自然な出会いを演出して近づき、「共産党のシンパだ」「勉強したい」といって接触する。
そして二人きりで会う機会をつくり、酒を飲んだりする。ときには酒代をおごってやったり、相談に乗ったり、金を貸したりもする。女をあてがってやったりもする。じっくりと深みに引きずり込む。
ここだと思ったときに、「実は私は公安です」と身分を明かす。「逃げ切れないだけの間柄」になっていたら、スパイの要請を相手は断れない。自然な出会いを装うなんて、まるで「ナンパ術」のようだ。それに、ナンパよりたちが悪い。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節9項 偶然を装った接近の仕方
狙いをつけた対象者にどうやって近づくか。まず、その作業日程をつくり、青写真をつくって行動に移す。
たとえば自分の車を故障させて対象者から工具を借りたり、相手の車に乗せてもらって知り合う動機づけをつくる。
あるいは物を落としたり、または拾ったり、相手が子持ちの主婦であれば、知らないふりをして子供を泣かし、その後であやすふりをして接点をつくる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節10項 心の優しい人を陥れるための接触術
「物を落として拾ってもらう」なんて、まるで一昔前のナンバ術だ。このバリエーションはいくらでもある。駅の階段で転ぶとか、苦しがって病気のふりをするとか、体の悪いふりをして助けを求めるとか。そんなことで引っかかるのかと思うだろうが、共産党に入るような人は心の優しい人が多い。
弱者のために、恵まれない人のために尽くそう、平等な社会をつくろうと思って入る。そういう優しさにつけ込んで公安は接触を持とうとするのだ。卑劣だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節11項 統一協会🏺とそっくりなステルス勧誘
スパイにしようと目をつけた対象者がジョギングをしていたら自分も毎朝ジョギングをして、自然に声をかける。
「赤旗」を配っている少年には「偉いね」と声をかける。犬を通れていたら、自分も犬を連れて散歩する。自然に知り合う。愛犬家は「犬好きの人に悪い人はいない」と思っているから、自然に友だちになり、意気投合する。不思議なもので、皆、趣味にはブライド、こだわりがある。
碁、将棋、ベット、ツーリング、登山、スキー、なんでもいいが、その趣味にはまると、同じ趣味の人に悪い人はいないと思い込む。そんな人間心理も公安は利用する。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節12項 公安の相手の気持ちに漬け込む卑怯な手口
対象者に知り合ったら、さり気なく「自分は自民党に不満を持っている」「共産党には頑張ってもらいたい」「学生時代には民青系のデモにも出たんですよ」なんて言う。
対象者には「共産党のシンバ」だと思わせる。ともかく、自然に接触することがポイントだ。ここまでは何とかやれる。いや、やれそうな気がする。
共産党の人は、優しいし、社会のため、恵まれない人のために何かしたいと思っている人が多い。それと同時に、「認められたい」という願望を持っている。
世の中の不平等をなくすため、世界の平和のためにこんなに頑張っているのに、共産党は伸びない。選挙でもどんどん議席数を減らす。警察もマスコミも共産党を敵視し批判している。そうした被害者意識が強い。そんなとき、共産党を理解してくれる人がいると嬉しい。
やっぱり人民大衆は共産党の味方なんだ、と思う。共産党シンバはいろんなところにいるんだと確認し、自信を持つのだ。そんな心理に公安は乗じる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節13項 少しでも理解されたと思うと全面的に信じてしまう素直な共産党員
ぼくは専門学校と予備校で教えているが、あるとき、両親が共産党員だという生徒がいた。本人は共産党は嫌いだという。
「でも昔のプロレタリア文学にはいいものがあるよ」と、小林多喜二や徳永直の小説を貸してやった。思想によって偏見を持たずに、いいものはいい。そういうことを教えようと思って、何気なく貸しただけだ。
その生徒は両親に報告した。そうしたら両親が言う。「その人はきっと共産党の人よ。だから、しっかり習いなさい!」と。これには驚いた。共産党の人は孤立しているから、少しでも理解されたと思うと全面的に信じてしまうのだ。
ぼくが長い間、右翼運動をしていたなんて知ったらビックリするだろう。でも、この程度のことで、「仲間だ」と思われるなんて。それに、その生徒は子供の頃から「警察と右翼」は敵だから絶対に喋ってはいけない、と言われて育ったと言っていた。それなのに・・・・・・。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節14項 ターゲットの隙や弱味を探る
公安は対象者と知り合うだけではダメで、その人間をスバイにして情報を収集しなければならない。これは大変だ。だから、公安の腕の見せ所は、いかに対象者の心をつかむかという点にある。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節15項 美人局をして、ターゲットの弱みを握る
まず、対象者の隙や弱味を見つける。たとえば、女遊びが好きだとか、パチンコ、競馬、競輪などギャンプルが好きだとか。酒好き、旅行好きだとか、あるいはサラ金などに借金がある、ローンで苦しんでいる、友人関係で悩んでいるとか。
そうした隙を発見し、相談に乗ったり、金を貸したりする。女をあてがうこともある。一緒にソープやファッション・ヘルスに行ったり、あるいは女の子を紹介し、つき合わせる。まるで美人局のようだ。
さらに凄い手がある。これは島袋氏が実際、自分でやったという。対象者と親しくなり、さんざん酔わせ、ストリップに連れて行って「沖繩男子の面子にかけても彼女を泣かせてこい。君は巨根の持ち主だと聞いたぞ」とおだてて、本番ショーの舞台に上げる。
そして彼が本番をしている証拠写真をカメラで隠し撮りする。後はその写真を見せて、なかば脅迫して彼をひきずり込み、スバイ要員に仕立て上げた。
「こんな写真を見たら党の幹部は何と思うだろうな」と言いながら脅したのだ。「頼む、それだけはやめてくれ。何でもやるから」と、向こうからスパイになる。女を使って籠絡し、それを写真に撮って「スパイになれ」と脅す。
これは旧ソ連もよく使った手だという。日本人の政治家や商社マンもやられたという噂を聞く。
島袋氏は公安としてはやり手だが、その上司になるとさらに凄腕だ。M市の共産党系市議会議員をスパイに仕立てあげ、また、民青同の県常任委員5人のうち半数以上がスパイだったという。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節16項 弱みを握ってスパイに仕立てる手口やゴミ漁り
対象者に近づき、弱味を握り、スパイに仕立てる。これは一種、「教育」のようなものだ。教育者としての情熱にも似ている。しかし公安には、普段はもっと地道な作業がある。張り込んだり、尾行したり、そしてときには浮浪者に変装して共産党事務所のゴミ漁りをする。
琉球大学日共支部が火災にあったときは、焼け跡から出たゴミを持ち去った。共産党事務所のゴミの入ったドラム缶を漁ったときは、重大な資料が見つかった。警察内部の者が共産党の二重スパイであることを発見したのだ。この男は即座に離島の駐在所に左遷された。
しかし共産党もやるもんだ。組織防衛という「守り」に徹するだけでなく、積極的に逆襲したのだ。警察官を逆にスパイにしてしまうなんて。それに、ゴミのなかにその資料があったなんて本当なのだろうか。でも公安がゴミ漁りをしているという話は有名だ。
1974年に連続企業爆破事件があったときは、犯人は一般市民のなかに潜んでいて、表面には出てこなかった。「こいつらかもしれない」と見当をつけても証拠がない。それで、公安は毎日ゴミを持ち去った。そのなかから証拠を見つけて逮捕した。東アジア反日武装戦線〈狼〉というグループだった。企業に時限式の爆弾を仕掛けたが、そのとき、時計を購入した領収証がゴミ袋のなかにあり、そこから逮捕に結びついたという。この話はぼくの『腹腹時計と〈狼〉』のなかに詳しく書いた。
ゴミ袋については個人的にもやられたことがある。朝日新聞の記者が殺傷された赤報隊事件、それに新右翼の査問事件など、いくつかの事件のときにぼくは「容疑者」にされて二十四時間、尾行・張り込みをされた。
どこに行くにもピッタリ付いてくるし、門にはいつも二人組の公安がいる。そしてゴミを出すと、ゴミ回収車が来る前にぼくのゴミだけが消えている。そこまでやるのかと思い、背筋が寒くなった。共産党はそんなことを毎日のようにやられている。
大変だ。だったら、ゴミにだって細心の注意を払っているはずだ。それで二重スパイが分かったというが、きっかけはゴミだとしても、公にできないやり方で分かったのではないだろうか。島袋氏だって全てを告白しているわけじゃない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節17項 共産党のスパイ挑発例
それに島袋氏は沖縄県の公安だ。全体のほんの一部分にすぎない。東京で、また、全国で公安がどんなことをやっているのか、それは分からない。絶対に公表しない。ただ、島袋氏の例から全体を類推するだけだ。
対する共産党の方も、具体的な被害例は発表していない。それをやれば、組織防衛にならないからだ。また、党に潜入したスパイや公安を査問し、逆に洗脳して「二重スパイ」にしている例もある。しかし、そのことも具体的には公表しない。
ただ、「これだけのスパイを摘発した」と発表することはある(最近はあまり発表したいようだが)。データは古いが、1980年末の第12回党大会では、「過去2年間に全国で百名ちかいスパイを摘発した」と発表した。公安警察や公安調査庁と結びついたものが圧倒的に多く、75%を占めているという。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節18項 共産党でスパイに転落させられた例
ヤンキーや不良が補導されたり、犯罪者が捕まったけど、揉み消して貰うのと引き換えに、スパイになる例が多そうです。欲深い犯罪や加害をしやすいタイプほど、買収してスパイにするのが簡単だからです。
「スパイに転落した主な事例」としては、次のようなものが挙げられる。
①党員の飲食、金銭問題、競馬、競輪などギャンブル、不正常な異性関係の弱点をつかれたもの
②消食のもてなし、金品の贈与などによる懐柔
③交通違反などを利用したもの
④親類の警察官、学校の同級生、職場の同僚で、その後公安関係者や警察官になった者から工作されたもの
⑤労働闘争や党活動の中で不当に逮捕され、その関係を利用されたもの
⑥窃盗などの破廉恥罪や非行少年グループなどで補導されたもの
こんな形でスパイにされている。
こういう人間は公安に目をつけられ、弱味を握られてスパイにされやすい。気をつけろ、というわけだ。
今までは、「党員は居酒屋などで酒を飲むな」という通達があった。「今時、こんなことを強制しているのか。だから共産党はダメなんだ」と昨年(2003年)、新聞に取り上げられ、叩かれていた。だから今は撤回したようだ。しかし、これも組織防衛からしたら、やむをえない点もあった。
酒を飲むと誰だって気が大きくなる。共産主義の思想だってそれを阻止できない。組織的警戒心も薄れる。周りの人に話も聞かれる。公安がいるかもしれない。見知らぬ人と意気投合し、それが公安だったということもある。さらに、酔って党の書類を置き忘れた、という事件もあったらしい。だから、「外で酒は飲むな。飲むなら家で飲め」と言ってきたのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節19項 スパイを見分けるコツ
さらに警戒は外に向けられるだけではない。内部にも向けられる。自分の身の回りを見て、「怪しい人」がいないか、急に金回りのよくなった人はいないか、相互監視しろ、という。スパイ摘発の奨励だ。では、どんな人が怪しいのか。
【スパイを見分けるコツ】
それを見分けるコツは次のようになる。
・収入と比較して金まわりがよかったり、生活が派手だったりする者や、外でよく酒を飲む者がいるかどうか
・自分より地位の高い党員を飲みに誘うなどして金を使う者がいるか
・会議によく出席したがるが、党勢拡大の統一行動や大衆運動には参加したがらない者がいるか
・必要以上にメモを取ったり、聞いたり、資料を欲しがったりする者や不自然な質問をする者がいるか
・行動、動作に落ち着きのない者がいるか
・男女関係や酒で乱れている者がいるか
共産党も大変だ。
こんなことにまで気をつけなくてはならない。疑心暗鬼になる。さらに共産党は党勢は減る一方、そして「二大政党の時代だ」といわれ、共産党の存在意義も疑われている。さらに、税金を使って公安はスパイを送り込み、潰しにかかる。共産党もその防衛に大童だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節20項 公安によって組織運営が妨害されている
それでなくても入党者は少ないのに、党に入ってきたら、「外で酒を飲んでいないか」「女性問題はないか」と常に監視する。熱心な党員がいても、「熱心にメモをとり、質問するのもかえって怪しい」と疑心暗鬼になる。
これでは党勢も伸びるわけがない。
「居酒屋で飲むな」という通達を新聞でスッパ抜かれて叩かれたとき、共産党も公安の問題を表に出して闘えばよかったのだ。なぜこんな通達を出したかというと、実は多大な被害、挑発を公安から受けているからだと、全てを公表したらよかった。公党に対し、これだけ膨大な人員と金を使ってスパイ活動をしている。これで民主国家といえるのかと糾弾したらいい。
以前に、「朝まで生テレビ」のパーティで上田耕一郎氏(日本共産党幹部会副委員長)と会ったことがある。
また、茨城県の青年会議所に呼ばれて地元の共産党の市議と討論会をした。両方とも公安の話をした。「これは許せない問題です」とお二人とも言う。しかし共産党として取り組む問題だと言う。ぼくの僻みかもしれないが、「右翼や他の人たちの手を借りてまでやる問題ではない」と言っているようにも聞こえた。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章9節21項 公安の手は中央委員会まで伸びている
かつて共産党に在籍し、その後、評論家になった人からこんな話を聞いた。日本共産党の佐賀県委員長が公安のスパイだと発覚したことがある。金の問題で弱味を握られ、スパイになったと本人も認めていたという。
また、野坂参三が「スパイであり、仲間を売った」として日本共産党を除名されたことがある。日本共産党の中央委員会の決定が出て、一時間もしないうちにその評論家の耳に入った。日本共産党は発表していないし、マスコミはどこも知らない。
なぜそんなに早く知ることができたのか?中央委員のなかの誰かが公安に洩らしたからだ。公安の手はそこまで伸びているのだ。「そこまで公安は頑張っているのか。だから必要だ」と思う人がいるかもしれない。
しかし、「野坂除名」を一時間早く知るためだけに膨大な予算と人員をかけ、犯罪的な行為(スパイ獲得)を行なう必要があるのだろうか。ぼくは必要ないと思うし、こうした問題を含め、公安の間の体質をもっと論議すべきだろう。
鈴木邦男「公安警察の手口」よりまさにブルシットジョブで、不要なことしかしていないのです。
第17章10節 公安の日常業務と卑劣な手口
このような仕事を税金でやらせる必要があるのか?謎である公安の日常的な業務であるガサ入れ、尾行、張り込みなどについて見ていきます。
第17章10節1項 公安の日常業務
左翼担当の公安は「協力者」(スパイ)獲得に血道をあげる。右翼担当の公安は、表に出ている右翼は全て掌握しているから、潜在右翼発見に全力を尽くす。
では、公安はその他には何をやっているのだろう(「その他に」というよりも、この各々の主任務[スバイ獲得と潜在右翼発見]を完遂するために、その他の仕事をやっている。そう言った方が正確だろう)。それは、ガサ入れ、尾行、張り込みだ。別件逮捕、微罪逮捕、ころび公妨も重要な仕事だが、毎日行なっているわけではない。だから、ここでは彼ら公安の日常的な業務であるガサ入れ、尾行、張り込みなどについて説明しよう。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節2項 ガサ入れのやりロ
まずはガサ入れだ。でもこの言葉は警察の隠語だ。正式には家宅捜索という。だから新聞でもテレビでも、ニュースでは必ず「家宅捜索」という。一般に話すときは皆、「ガサ入れ」と言っている。ガサガサ音を立てて捜すからだろう(「家捜し」の逆さ読みという説もある)。他にも警察の隠語として「タタキ」「コロシ」「ツッコミ」などがある。タタキは強盗だ。黙って忍びこみ物を盗ったらすぐに逃げればいいものを、刃物で脅したりして盗る。縛りあげたり、脅して叩いたりして盗ったから「タタキ」だ。
コロシは文字通り殺人だ。
ツッコミはちょっといやらしい。強姦のことだ。男のモノをつっ込むからだ。露骨だし、この言葉自体が悪褻だ。
テレビの刑事ドラマを見ていても、コロシ、タタキ、ガサ入れは出てくるが、さすがにツッコミは出てこない。
ガサ入れに話を戻すが、テレビのニュースでよく見るように、犯罪事件があると揃いの制服を着た捜査員が乗り込んで、ダンボールに書類を入れて運び出している。でもあれは汚職、談合、脱税などのように書類を全部調べる必要があるからだ。だから、「ダンボール10個分押収しました」なんて言っている。
右翼や左翼の場合は、そんなに押収するものはない。ぼくは過去何十回とガサ入れをされたが、押収されるのは手帳、電話帳、住所録、ノートなど数点だ(彼らの狙いはそれだけだ)。だから紙袋一つに収まる。だいたいダンボールなんてはじめから持ってきていない。
それに他の事件と違い、公安のガサ入れは証拠を探すためではない。汚職、談合、選挙違反などは膨大な資料、
書類、金銭の出納記録などを徹底的に調べ、そこから証拠を見つけようとする。だから、ガサ入れをし、書類を押収するのにも「理由」がある。犯罪を立件するためにもガサ入れは「必要」なのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節3項 公安による嫌がらせや見せしめのガサ入れ
ところが、左翼、右属に対する公安のガサ入れは、これとは全く違う。「理由」も「必要」もないのだ。
極端にいうと、「いやがらせ」「見せしめ」のためにやられることが多い。あるいは(いや、これが本当の目的なのだが)、運動のシンパ(共鳴者)、支援者を探すために行なわれる。右翼ならば、友人関係をたどって潜在右翼を発見しようとする。この目的のためだけにやられている。
考えてみたらいい。汚職、選挙違反などは、ガサ入れで押収された資料を調べ、有罪かどうかが決まる。事件を立証するために必要なものだ。
ところが、公安事件の場合、事件はすでに起こっている。新左翼ならば、どこかに爆弾が投げこまれ、どこかのセクト(党顔)が「我々がやった」と声明を出している。
右翼なら、自民党本部などに突入し、ビラを撒いた。どこの団体の誰かは分かっている。逮捕もされた。事件は既に終わっている。この直後に公安はガサ入れを開始する。
事件を起こした人間のアパートや、彼が属する団体の事務所がガサ入れされるのは仕方ないとしよう。でも、覚悟してやったんだから、何も出てこない。問題は、このとき数十人から数百人の「関係者」にガサ入れをすることだ。
新聞にもそんな表現が出ている。
「でも関係者なら仕方ないだろう」と一般の人は思うかもしれない。でも違うのだ。この場合の関係者は、ほとんど「無関係者」なのだ。
たとえば赤報隊事件のときに、犯人は分からないが、声明文を読むと新右翼のように思えたので、新右翼といわれる人々が全国で数百人、ガサ入れされたことがある。さらに、そこで押収された名刺、電話帳、住所録を見て、友人、知人宅を訪ね、あるいはガサを入れる。つまり、全くの「無関係者」だ。新右翼といわれる人も普通の仕事をしていたり、学生だったりする。
新左翼と違って組織防衛なんて観念がないから、電話帳でも住所録でも何でも押収される。パソコンのソフトも押収される。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節4項 公安の合法的強盗
ぼくだって、何十回もガサ入れされたが、全く知らない人の事件ばかりだ。他の人たちもそうだ。「ぼくは仕事で鈴木に一回会っただけなのにガサ入れされた」というルポライターがいる。「右翼の集会に一度出ただけなのにガサ入れされた」という学生もいた。公安は、「こいつは、ひょっとして関係あるのでは」と思ったら、いつでも誰でもガサ入れできる。全く個人的な考えでやれるのだ。
「最近、右翼とつき合っているようだな。じゃ、ガサ入れしてやろう」「こいつは公安とつき合わない。見せしめでやってやろう」となる。こうなると、ただのドロボーだ。いや、タタキ(強盗)だ。それも権力を笠に着た合法的タタキだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節5項 驚くべき人心掌握のテクニック「ガサ入れのお知らせ」
前にも書いたが、他の右翼の人にぼくはこう言われた。「公安とうまくつき合えばいいんですよ。酒も飲ませてくれるし、小遣いだってくれる。何か事件があってガサ入れするときだって事前に教えてくれますよ」。この話を聞いたとき、そんなこともしてるのかよ、と驚いた。
「明日ガサを入れるよ。嫌だろうが、こっちも仕事だから分かってくれよ」と言ってくる。やられる方も、事前に名簿とか大事な書類は他に移しておくだろう。翌日、「家宅捜索ですよ」「はい、ご苦労さん」と型通りのガサ入れをして、機関紙やポスターを押収して帰る。全て公表しているものだから、そんなものは押収のうちに入らない。完全な八百長だ。
よく、ゲームセンターやヤクザの事務所にガサが入って、そのガサの情報が事前に漏れていたと騒がれることがある。新聞にも叩かれるし、表沙汰になれば警察もその警察官を処分しなくてはならない。ゲームセンターやヤクザからは、いつも警察は情報をもらっている。一緒に酒も飲むだろう。そうした人間関係がなければ情報は収集できない。その見返りとして、「明日ガサが入るよ」と一報する。それで処分される。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節6項 八百長ガサ入れ
でも公安は同じことをしても処分されない。風紀係(生活安全部)やヤクザ担当の刑事とは違う。「こっちは国の安全を守っているのだ」という自負がある。そして、やっていることは全てヴェールに包まれていて一般の人には全く分からない。どこにガサ入れをするか、好き勝手にやれる。アンタッチャブルだ。さらに、自分たちとつき合い、仲のいい右翼には「ガサ情報」を漏らし、手ごころを加えてくれる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節7項 驚くべき人心掌握のテクニック「極秘のファイルを見せて信用させる公安」
映画「BLACK BOX DIARIES」の公開の際に、伊藤詩織さんを東京新聞の望月記者を始め、大勢のジャーナリストが「映画を酷評して、誹謗中傷する事件」が起きました。伊藤詩織さんの性被害自体がまるで捏造で無かったかのように「演技性パーソナリティ」などと酷評されたのが印象的な事件でした。結局大勢の事実確認と調査から、デマと悪評の流布であることが判明しました。
この事件は、元公安警察官僚の杉田和博氏が「山口敬之TBSワシントン支局長の逮捕妨害などで、情報操作、情報隠蔽、捏造を重ねた悪の司令塔」だったらしく、望月記者が「極秘のファイルを見せられて」まんまと騙された可能性があるように思います。逆に言えば、それだけ工作活動が身近に沢山行われていると言う恐ろしい事件だと言えます。
親密になったら、極秘の書類だって見せてくれる。公安には膨大な右翼のファイルがある。そのファイルを見せてもらったという右翼がいた。「いやー、まいったよ。俺のことなんか”大酒のみ。虚言癖あり”なんて書かれていたよ。ガハハハッ」と笑っていた。
この話にはぼくも驚いた。そこまで見せるかなといぶかしんだが、「これがバレたら私はクビですよ」と言いながら公安は見せたという。必ずしもよく書いていないところにリアリティがある。見せてもらった右翼は思うだろう。
「クビになる危険性を冒してまで極秘資料を見せてくれた。それほど俺を信頼しているのか」と。じゃ、その信頼に応えなくては、と思う。
その心理を利用して公安はこう言う。「しかし酷いですね。”虚言癖あり”なんて。もちろん、私はそんなことは思いませんよ。最も真面目で行動力のある愛国者だと思っていますし、上にもそう報告しているんです。でも、こんなデタラメを言う奴がいて上は信じているんです。担当の私の言うことを信じないんですから。上は見る目がないですよ」。
鈴木邦男「公安警察の手口」より86歳で死亡した元公安警察官僚(元神奈川県警本部長)の杉田和博氏は、安倍晋三第二次政権・菅義偉政権の官房副長官を歴代最長の約8年9か月にわたって務めました。モリ・カケ・サクラ・カワイ各疑獄で、安倍氏が堀の中に落ちないように工作した警察キャリア。内閣人事局長を兼任しました。
統一協会との癒着、安倍派パー券裏金、日本学術会議の任命拒否、前川喜平元文科事務次官に関するデマの読売新聞への垂れ込み、山口敬之TBSワシントン支局長の逮捕妨害などで、情報操作、情報隠蔽、捏造を重ねた悪の司令塔でした。共謀・共犯者は、やはり警察官僚出身の北村滋・元国家安全保障局長(元兵庫県警察本部長)。安倍官邸のアイヒマン。忘れてはならない歴史の事実です。第17章10節8項 英雄になれると囁いて事件を起こさせる公安
さらに、こうささやいたのだろう。「でもこんなファイルが残っているなんてシャクですね。だから、どこかを襲いませんか。共産党でもいいし、日教組でもいいし、入った時点で私が止めますよ。そうすれば、あなたは英雄になりますし、すぐに出てこれますよ」
この推測は多分、当たっていると思う。なぜならその後、彼は小さな事件を起こして捕まったからだ。極秘文書を見せたといっても、このくらいは大丈夫というものを見せたのだろう。そして右翼の信頼を勝ちとり、あわよくば「事件」を起こさせようと思ったのだ。公安の方がずっと上手だ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節9項 時々公表するファイル
それに、公安は重要度の低いファイルなら結構公表している。デモか何かで警察官と揉めて逮捕されたときのことだ。取り調べ室が満員だったせいか、大部屋で調べられた。そのときに壁に新左翼の指名手配書がベタベタと貼られていた。一般の街頭や駅、銭湯などに貼られているものではない。警察官用に作られた詳しいものだった。
写真、住所、実家は元より友人宅、そして何と、「情婦」の名前、住所も書かれていた。いくら何でもこの表現はないだろうと思った(せめて「ガールフレンド」とか「女友達」という表現にしてやればいい)。この経験から推察すると、公開していないファイルや、さらに極秘の潜在右翼のファイルには何が書かれているか分からない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節10項 刑事警察のガサ入れとの違い
さて、ガサ入れに話を戻す。公安は自由に、勝手気儘にガサ入れをやっている。しかし、逮捕と同じように、一応は裁判所の令状をもらってやることになっている。しかしそれは形式上、建て前上のことであって、実際は警察が好き勝手にやっている。警察が請求した令状を裁判所が拒否したことは、まずない。それは裁判所がガサ入れの実態を全く知らないからだ。
「何も逮捕するわけじゃない。証拠があるかないか家捜しするだけだろう。それで証拠がなかったら本人も疑いが晴れて、かえっていいだろう」と、そのくらいにしか思っていない。だからポンポンとハンコを押す。これが問題なのだ。
確かに、逮捕令状は慎重にやる。よく刑事ドラマでも「そんなことじゃ(逮捕)令状はとれませんよ。もっと証拠を固めないと」と刑事が言うシーンがある。でも、「そんなことじゃ、ガサ令状は出ませんよ」なんて言うシーンはない。ガサの令状なんて、いつでも、いくらでも出るからだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節11項 裁判官も誤解しているガサ入れ
ぼくは今まで何十回とガサ入れをされているが、こんなに嫌なことはない。一週間くらいで出られるのなら逮捕された方がマシなくらいだ。「でも爆弾や銃があるわけじゃないし、調べられても困るものはないだろう」と、知らない人は言う。ガサ令状を出す裁判所ように、「かえって容疑が晴れていいじゃないか」くらいに思っているのだ。
しかし警察もはじめからそんなものがあるとは思っていない(公安のガサ入れで証拠が見つかったとか、犯人が逮捕されたなんて例は一つもない)。それよりも手帳とか電話帳、住所録を持っていくのが主目的なのだ。それを探すためだけに全国にガサ入れをするのだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節12項 友人や仲間が増えた頃を狙って離間工作を仕掛ける公安(司法の武器化)
やり方も巧妙だ。「運動を離れているし、もう自分にはガサ入れなどないだろう」と思い油断しているところをわざと狙う。友人や仲間が増えた頃を狙って襲い、電話帳、住所録を盗ってゆく。泥棒だ。いや泥棒よりもタチが悪い。ぼくは泥棒にも何度か入られたことがあるが、金がないから何の被害もなかった。その点、公安は金よりももっと大事なものを盗ってゆく。
ともかく公安は、いつでも、どこでも、好きな所にガサ入れできる。では、「ドンドン」とドアを叩かれたとき、なかから開けなかったらどうか。彼らは無理にも開ける。電動/コギリやオノでドアをぶち壊す。実際、新左翼はそれでやられている。本人が留守でも大家さんを呼んで開けさせる。文句は言えない。何を持っていかれても仕方ない。「それだけは持っていかないでくれ」なんて泣きつくと、「公務執行妨害だ」と言って逮捕される。ぼくはもう、勝手にしろ、と思っている。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節13項 信用などを低下させて孤立させる手口
でも、金属探知器をわざわざ持ってきて、「チャカ(季銃)、爆弾はないか」「覚醒剤はないか」と大声で言い合っている。隣近所に聞こえるように大声で言う。また、わざと外に出て大声で警察官と話す。
大家さんや近所の人は、「どんな凶悪犯か」と思って見にくる。妻帯者はもっと大変だ。(関係ないとわかっていても)奥さんの服や下着まで全部取り出して調べる。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節14項 ガサ入れをして弱みを握って脅して言いなりにする手口
下着の間に秘密書類を隠しているかもしれない、そう思うのか。一枚一枚、奥さんのパンティを拡げて見ている。
顔から火が出たと言っていた人もいた。また、なかには独身のくせに押入れから、セーラー服が発見されたとか、エロ本、エロビデオを大量に発見されたという人もいる。こんなのも恥ずかしい。「このビデオは売って商売しているんじゃないか。パクられたくなかったら、これから定期的に会って情報を提供しろ」と脅された人もいた。
いつ、どこでガサが来るか分からないし、来たらやられっ放しだ。泣き寝入りするしかない。対抗手段は何もない。ただ、「準抗告」といってあとで裁判所に訴える方法はある。しかし、これで勝つことはまずない。それにガサが終わった後だ。たとえ例外的に、「ガサは不当だった。押収した物は返しなさい」と裁判所が命令したとしても、もう全てコピ―してある。それから返してもらっても同じことだ。
でも、悔しいから弁護士に頼んで何度か準抗告したことがあったが、全て却下された。裁判所にしても、「逮捕じゃあるまいし、ガサくらい、いいじゃないか。ガタガタ言うな」という気持ちがあるのだろう。他人の痛みが分からない。作家の和久酸三氏だったと思うが、裁判官は女には甘い判決になりやすいと言っていた。というのは裁判官になるような人は子供のときから優秀でエリートだ。遊ぶ暇もなく勉強する。だから、女性被告に対しては、「悪い女性などいるはずがない。きっと男に騙されて仕方なくやったんだろう」と同情する。自分が遊んでいないから悪い女に騙されたことがない。だから女性に対してだけは性善説であり、年齢をとってから不祥事を起こしたり、金や女の誘惑に簡単に負けたりするのだろう。人間が甘いのだ。
ガサ令状にしても同じ。「捜してもらって証拠がなければ疑いも晴れて当人にもいいだろう」と思っているのだろう。そして、警察の言い分を真に受けて、ガサ令状を乱発する。困ったものだ。
だから、こんな裁判官には少し、「実習」をやらせたらいい。弱い者、被害者の「痛み」を知ってもらうのだ。まず、実習としてガサを数回体験させる。また、十日くらい、拘留も体験してもらう。そうしたら、「こんなに大変なことか」と分かり、令状を出すのにも慎重になるだろう。これは絶対にやってもらいたい。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節15項 張り込みのやり口
次に、「張り込み」と「尾行」だ。両者は一体だ。アパートだけを張り込みしている、ということはない。24時間、張り込んでいるから、外出するときはどこにでもついてくる。前にも書いたが、見沢知廉氏の「スパイ査問事件」の直後、ぼくは3ヵ月間張り込まれた。
気が狂いそうだった。これなら捕まった方が楽だと何度思ったか分からない。雨の日も風の日もアパートの門のところに必ず2人いる。車はどこか近くにおき、交替要員がいるのだろう。わざと門のところに2人、立っている。いやな気分だ。どこに行くにも必ず付いてくる。
このときは、ぼくも巻き込まれたとはいえ、事件に少しは関係があった。だから仕方ない部分もあった。このときの体験で、何をやっても警察にはかなわないと思ったし、非合法闘争なんて無理だと思った。
だから今は反省し、非合法は一切やらない。全て、合法運動でやっている。はっきりそう言明しているし、そう実行している。しかし、それでも公安は張り込み、尾行をやめない。一水会のような合法的団体の集会、デモにも必ず公安が大挙して来る。また、外国から要人が来るときや、いろんな「記念」の日には主要メンバーを尾行する。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節16項 右翼カレンダー
公安はもちろん、各交番にも、「右翼カレンダー」というものがある。
たとえば、開戦記念日や吉田松陰が死んだ日、三島事件の日などが書き込まれたカレンダーだ。「右翼は必ずこうした記念日に事を起こす」と公安は思っている(本当はそんなことはないのだが)。潜在右翼と目された人も、こういう記念日に張り込み、尾行をされる。そろそろ何か起こしてくれよ、と期待を込めてやっているのだろう。
一般的には、ちょっと離れて尾行し、気づかれないようにする。でも、少し活動した人間になると、尾行が付いてるかどうかはすぐに分かる。それに、外国の要人が来日しているとか、「右翼カレンダー」の要注意日だと、「多分、付くだろうな」と思うし、実際、付いている。
ぼくも若くて過激だった頃は、「自分たちは正しいことをやっているのに、なぜ権力は弾圧するんだ」と思っていた。反面、「正しいことをひたむきにやっているからこそ弾圧されるんだ。幕末の志士たちも幕府の犬どもに付け狙われたんだし」と思って、被虐的なヒロイズムに浸ったりした。そして、この犬どもをまいてやろうと思った。ただ、新左翼と違ってぼくたちは「尾行をまく」練習をしていないし、その技術もない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節17項 尾行のまき方
それで新左翼の本を読んで研究した。いろんな「技術書」があるが、たとえば『連合赤軍服務規律』というものがある。『腹腹時計』と同じように、70年代初頭に出された、いわば「権力との闘い方」読本だ。もちろん、秘密出版だ。このなかに「尾行のまき方」が書かれている。
絶えず権力の尾行、敵対党派の有無に注意し、電車は少人数の場合は最後尾車輌の最後のドアより、3〜5人以上の場合は最前車輛より乗降する。乗る場合は、発車直前。車掌が発車合図を完了し、発車ベルが鳴り終って数呼吸して乗ること。降りる場合は、乗客が降り、乗客が乗り終わってからおりる。
新左翼の活動家は常にこのような緊張感を持って生きている。電車に乗るのでも、いちいちこんな面倒なやり方で乗る。しかし、相手はプロだし、こんな本のことは十分に知っている。
それに一人の尾行ならまけるかもしれないが、尾行は何人もいて、どこで交替しているか分からない。発車直前に降りたって、車輛の中と外に公安はいるんだ。まきようがない。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節18項 新左翼の尾行のまき方
二度の例外があるにしても、あとの100パーセント近くが尾行、張り込みのやられ放題だ。どうやっても逃げ切れない。その点、新左翼は偉い。頑張っている。集会やデモの後、皆、公安の尾行を振り切っているからだ。
たとえば、中核派や革マル派などがデモをする。集会を開くとする。全て事前に警察に届け出をし、許可をもらってやる。「反体制運動だから無届け・無許可でやっているのだろう。だから警察も取締まるのだろう」と思っている人も多いが、違う。右翼の集会やデモ、街宣(街頭宣伝)だって全て許可を得てやっている。許可の条件も厳しい。「この時間はダメだ。このコースはダメだ。こっちにしろ」と注文をつける。「表現の自由」は憲法にはあるが、警察のお許しがなくてはダメなのだ。
さらに、厳しい条件をクリアして集会、デモをしても、公安はドッと押しかけて顔写真を撮る。そうはさせじと、参加者は顔を隠す。ヘルメットにサングラス、タオルで覆面をする。あるいは大きなマスクをする。異様だ。
「ほら、過激派はこんなに異様で、恐ろしげな格好をしている」と警察は利用する。でも新左翼にしたら、もともとは「組織防衛」のためでもあり、「ブライバシーの保護」なのだ。
どんな集会やデモに出ても本来、自由なはずだ。それに警察の許可を得てデモや集会をやっている。それにもかかわらず、参加者全員の身元を調べようとし、顔写真を撮り、帰りは尾行する。
デモや集会のときは皆が一緒だし、顔も隠せる。しかし解散して家に帰るときはバラバラだ。そこを公安が狙う。群れから離れたヌーやシマウマを狙うライオンのようだ。いや、ハイエナか。だから解散後の方が〈戦争〉だ。新左翼の側も、参加者(とくに、顔を知られていない新人)を守る義務がある。だから五人くらいずつ組になり、リーダーが引率する。きちんと手順を決めておき、全力疾走したり、バラバラに別れたり、タクシーを拾ったりと、必死で公安をまく。本当に大変だ。ご苦労さんだ。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節19項 戦前のように特高化した公安と治安の悪化
たかが集会に出たくらいで、こんな必死な思いをする。まるで戦前のようだ。特高に狙われ、追われる共産党員のようだ。民主主義の現代日本でもこんなことが繰り返されている。これは公安が悪い。公安は人間も金も余っていて、使い道がないから、こんなことをしているのだ。
一方において凶悪犯罪は増える一方だという。前にも述べたが、昔はヤクザとか、いかにも犯罪者らしい人が犯罪をした。今は、普通の大学生、高校生が簡単に人を殺す。「出会い系サイト」で知り合った女が、「人を殺してみたかった」と言って、初対面の男を殺したりする。
「警察官が足りない」と言われている。でも、公安は余っている。それを刑事警察に回せばいいんだ。それなのに、「俺たちは国家を守っているんだ。ドロボーや人殺しなんか追っかけてられるか」とプライドを持っている。
さらに刑事警察に対して、「逃亡左翼を見つけろ」「潜在右翼を見つけろ」と公安の仕事を押しつける。これでは少ない刑事警察の力をさらに削ぐことになる。
極端にいえば、公安のせいで昨今の凶悪犯罪は増えているし、犯人も捕まらないともいえる。さらに、右翼や左翼の犯罪を防ぐどころか、逆に卑劣で陰惨な犯罪を増やしている。
鈴木邦男「公安警察の手口」より第17章10節20項 犯罪を増やし、治安を悪化させているのは外国人ではなく公安
極端にいえば、公安のせいで昨今の凶悪犯罪は増えているし、犯人も捕まらないともいえる。さらに、右翼や左翼の犯罪を防ぐどころか、逆に卑劣で陰惨な犯罪を増やしている。
デモや集会に出てみたらいい。警察の許可をとった合法的なデモや集会なのに、警察・公安だらけだ。まるで犯罪者を監視するように集まっている。活動家たちは、表現の自由など、どこにもない。顔写真を撮られ、尾行され、ブラックリストに載せられる。こんなことなら、デモや集会になど一切出ないで、普通の市民生活を送り、隠れて火炎瓶や爆弾を投げ、また市民生活に戻る方がいい。
そう思いつめる者も出る。かつての〈狼〉や赤報隊だ。さらにそれを真似た征伐隊だってそうだ。また、合法運動をしていて、それで弾圧されている左右両翼にしても、「いつか公安に一泡ふかせてやろう」と復讐の念を育てさせることになる。公安の存在が犯罪を助長し、育てているのだ。
「でも過激なことをするから公安は監視、尾行するのだろう。それをやめたら公安も嫌がらせをやめるのだろう」と言う人もいる。しかし違うのだ。たとえば、日本共産党はもう暴力革命なんて考えていない。誰も暴力をふるわない。でも公安は監視し、協力者(スパイ)を獲得し、育てている。また、一水会だって、過去の反省を踏まえ、「全ては言論活動でやる」と公言している。それでも尾行されるし、公開講座のときも公安がびったりと付いている。
鈴木邦男「公安警察の手口」よりシリーズの記事一覧です。
英語版のまとめはこちらです。
Anti-Communism Series Summary(EnglishVer.)
より詳しい内容を知りたい場合は、各ページの詳細な説明をご覧ください。
反共産主義シリーズ
反共産主義シリーズ②[政府や企業の隠蔽工作を請け負うビジネス]
反共産主義シリーズ⑥[金と保身に支配されて変われない日本の有権者たち🇯🇵]
反共産主義シリーズ⑦[外国人排斥をしている人たちの本音と本性]
反共産主義シリーズ⑧[ベネズエラ🇻🇪とイラン🇮🇷に戦争を仕掛ける恐るべき真相]
反共産主義シリーズ⑨[反社とイスラエル🇮🇱の恐るべきハイテク兵器]
反共産主義シリーズ⑩[民主主義を破壊するICEの人狩りアプリの詳細]
反共産主義シリーズ⑪[”予測警察”と”脅威スコア”による善悪逆転のクーデター]
反共産主義シリーズ⑫[巨大な反共産主義ネットワークとその”起源”]
反共産主義シリーズ⑮[“戦争放棄→戦争する国”に変えた監視と恐怖の支配メカニズム]
反共産主義シリーズ⑯[巧妙でバレにくい凶悪犯罪の増加と阻止できない無能な日本の左翼の大問題]
反共産主義シリーズ⑰[“陰謀論”や”被害妄想”と言うレッテル貼りによる真実の隠蔽技術]
反共産主義シリーズ⑱[究極の監視技術:”人間をハッキングする”]
反共産主義シリーズ⑲[スマートダスト:全人類を支配する目に見えないナノ監視兵器]
反共産主義シリーズ⑳[盲点になっている5G・6Gの全方位監視ネットワーク]
反共産主義シリーズ㉑[監視やスパイだらけになるとどんな社会になるか?]
反共産主義シリーズ㉒[12.3韓国クーデター事件簿①:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉓[12.3韓国クーデター事件簿②:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉔[12.3韓国クーデター事件簿③:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉕[12.3韓国クーデター事件簿④:秒読みに入った日本の反社カルト⛩🏺のクーデター]
反共産主義シリーズ㉖[12.3韓国クーデター事件簿⑤:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉗[12.3韓国クーデター事件簿⑥:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉘[12.3韓国クーデター事件簿⑦:反社カルト⛩🏺の洗脳教育”コリアン・ユーゲント事件”]
反共産主義シリーズ㉙[ファシストの真の正体 — 強欲な自己愛モンスターが民主社会を喰い尽くすとき①]
反共産主義シリーズ㉚[ファシストの真の正体 — 強欲な自己愛モンスターが民主社会を喰い尽くすとき②]
反共産主義シリーズ㉛[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART①]
反共産主義シリーズ㉜[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART②]
反共産主義シリーズ㉝[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART③]
反共産主義シリーズ㉞[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART④]
反共産主義シリーズ㉟[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART⑤]
反共産主義シリーズ㊱[傲慢な西側帝国支配🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の終焉:イラン戦争🇮🇷の真実PART⑥]
反共産主義シリーズ㊲[イラン戦争🇮🇷の真実PART⑦:邪悪な帝国主義者たち🇺🇸🇪🇺🇯🇵🇮🇱の真の世界支配計画?]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み①[反共産主義シリーズ㊳]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み②[反共産主義シリーズ㊴]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み③[反共産主義シリーズ㊵]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み④[反共産主義シリーズ㊶]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み⑤[反共産主義シリーズ㊷]
【現代社会構造の新教科書】事実に基づくエプスタイン階級の世界征服の仕組み⑥[反共産主義シリーズ㊸]
【現代社会構造の新教科書】憲法9条を破壊したい戦争で儲ける11業界と儲かるメカニズム[反共産主義シリーズ㊹]
【現代社会構造の新教科書】年金・医療・憲法を壊す政治家と支持者の動機——戦争をしたい者を見抜く方法[反共産主義シリーズ㊺]
【現代社会構造の新教科書】亡国の設計図:永久戦争国家への改悪マニュアル[反共産主義シリーズ㊻]
【現代社会構造の新教科書】”嘘つきで話の通じない人”は”カルト信者”ではなく駒だった[反共産主義シリーズ㊼]
【現代社会構造の新教科書】”進歩や科学”に見せかけたファシズムの兵器[反共産主義シリーズ㊽]
【現代社会構造の新教科書】愛国を叫ぶ売国奴たち――諜報機関に乗っ取られた西側民主主義国家[反共産主義シリーズ㊾]
【現代社会構造の新教科書】見えない檻に収監されるハッキングされた人類――エプスタイン階級の究極の支配技術[反共産主義シリーズ㊿]
【現代社会構造の新教科書】西側諸国🇺🇸🇪🇺🇯🇵の自国民ジェノサイドと言う不都合な未来[追加]
女性差別シリーズ
反共産主義シリーズの姉妹編の女性差別シリーズです。
反共産主義者による日本女性差別シリーズ(INDEXpage)
【今必要なもの⬇️】
伊丹万作「騙されることの責任」より
『あんなにも雑作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己のいっさいをゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。(中略)
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているに違いないのである。
一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。現在の日本に必要な事は、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである(後略)』
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