【検証用】ウクライナ戦争まとめ⑦[軍事産業と腐敗の横行編]
【検証用】ウクライナ戦争まとめ⑦[軍事産業と腐敗の横行編]
『【検証用】ウクライナ戦争まとめシリーズ』について
2025年10月16日現在、日本はまだ日本国憲法で表現の自由が保障されています。日本は現在、表向きにも一応戦争には参戦していません。なので何を考えて、何を思おうと自由なハズです。そこで、左派でもロシア支持🇷🇺を表明するとトラブルになり勝ちな「ウクライナ戦争🇺🇦の真実」について「自分で何が正しいか?振り返って検証できる記事」をリリースすることにしました。
日本人🇯🇵にとっては、ウクライナ戦争🇺🇦は、ロシア🇷🇺が突如として、ウクライナ🇺🇦に侵攻することで始まった戦争なので、「侵攻した加害者のロシア🇷🇺が悪い」と単純に考えて勘違いしている人が多いので、もう一度「自分で整理して何が正しいか?」を考えて正しく判断し直す必要があります。西側諸国🇺🇸🇪🇺🇯🇵やウクライナ🇺🇦とロシア🇷🇺とどちらが嘘ばかりついて、イスラエル🇮🇱のように嘘に嘘を重ねているのでしょうか?記事を参考にご自分で事実を追ってじっくり考えてみてください。
日本のテレビや新聞のニュースがおかしい事に気づいている人も多いとは思いますが、日本のメディアが情報統制や世論操作されているので、戦争に関しては正しい事実が報道されず、世論操作されています。このような誤情報による世論操作や扇動を「戦争プロパガンダ」と言います。世論工作されていることは「メディアを支配する「世論工作部隊」公安組織<Ⅰ・S>」でも触れてきました。
なので、「戦争プロパガンダ」による誤情報や誤誘導を差し引いて、正しい事実や情報のみで、正しく再構築する必要があるのです。そして、結論だけを言うと、「世界中の知識人やまともな真実を大事にする人は、ロシア支持🇷🇺、パレスチナ支持🇵🇸」を表明しており、世界の大多数は横暴な西側諸国🇺🇸🇪🇺🇯🇵の嘘や欺瞞に気づき、「ロシア支持🇷🇺、パレスチナ支持🇵🇸」になりつつあります。なので、もう一度再検証して、左右の政治家や政党によるくだらないプロパガンダによる洗脳🧠を解いていきましょう。
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『【検証用】ウクライナ戦争まとめ⑦[軍事産業と腐敗の横行編]』
なぜ、このような誤情報やデマを国民にバラ撒いているのでしょうか?ガザ🇵🇸ジェノサイド💀のように、いくら隠蔽したり、世論工作しても、いずれは悪事がバレてしまいます。いろいろな理由はありますが、1番はお金と保身のようです。戦争は国民を騙し続けられれば、半永久的に儲かり続けるビジネスなのです。その「戦争ビジネスと検察や警察など法執行機関の腐敗の横行」を記事をベースに見ていきます。
我が国でも見たような光景だと思います。重ね合わせて考えてみてください。
『【検証用】ウクライナ戦争まとめシリーズ』のその他の記事はこちらです。
ウクライナの来年国家予算案に仰天…8.9兆円もの国防費をたかる気か⁉
2025.09.25
塩原 俊彦
9月19日、ウクライナ議会で来年の国家予算案の審議が開始された(下の写真)。一言で言えば、「外国からの支援頼み」という「他人の褌(ふんどし)で相撲をとる」内容になっている。ウクライナによる欧米や日本への「甘え」を前提に作成されたものとなっているのだ。今回は、ウォロディミル・ゼレンスキー政権の「甘えの構造」について論じたい。来年の予算案の主なデータ
9月19日、ウクライナ財務省のサイトに公表された「財務大臣が国会で2026年国家予算案を発表」という記事をみると、驚くべきことが書かれている(政府が閣議で予算案を承認した15日の英語版には、ここまで正直には書かれていない)。すなわち、「主な数字」という見出しのもとに、以下の4項目が記されている。
・国家予算歳入:2兆8265億フリヴニャ(約10兆1200億円=約1兆6000億円増)
・同歳出:4兆8038億フリヴニャ(約17兆2000億円=約1兆5000億円増)
・赤字:国内総生産(GDP)比18.4%(同3.9ポイント減)
・国際的な資金調達:欧州連合(EU)、G7諸国、IMF、世界銀行から2兆(約7兆1600億円)以上の資金を集める予定
驚愕の内容というのは、予算の半分近くを海外からの支援に求めることが明示されている点だ。どうやら、予算作成に際して、戦争を停止する気はまったくなく、できるだけ多くの支援を手に入れようとしているようにみえる。もちろん、予算案には選挙費用は計上されていない。前国防相の疑惑
そもそも、拙稿「腐敗まみれのウクライナ軍事産業:ゼレンスキー周辺は『真っ黒』」に書いたように、腐敗にまみれたウクライナに対して、各国の血税を投じるのは明らかにおかしい。たとえば、国会議員のオレクシー・ゴンチャレンコは9月、2023年9月~2025年7月まで国防相を務め、現在、国家安全保障・防衛会議書記のルステム・ウメロフ(下の写真)に対して、その腐敗ぶりを批判した。ウメロフの親族は米国に、8軒の高級不動産(マイアミ近郊に4棟の別荘、フロリダ州に3戸、ニューヨークに1戸のアパート)を所有しているというのである(ウクライナ情報を参照)。その真偽ははっきりしないが、真実である可能性は十分ある。比較的中立的と思われるBBCの報道によると、彼の家族(妻と子供たち、そして兄のエンヴェルとその家族)が、米国に住んでいるのは事実だ。「2016年にウクライナ国防相の家族は、一時的に占領されたクリミアの占領解除に向けたウメロフの組織的な活動の結果、暗殺などの脅迫を受けて国外へ避難せざるを得なかった」――というのが国防省の説明だという。
いずれにしても、一時、駐米ウクライナ大使候補だったウメロフは、こうした家族との関係もあって、駐米大使になることはなかった。ウメロフにとって大使就任は喜ばしいことだが、国民からみれば、この男がとてつもなく優遇されているようにみえてしまうから、この人事は断念されたのである。
ウメロフが国防相当時、軍需産業との癒着を疑わせる人事を断行したことも事実である。彼は、形式上は独立した国防調達庁(AOZ)の責任者マリーナ・ベズルコワを解任し、当時の国家後方支援機関の長官アルセン・ジュマディロフを暫定的に任命した。ウメロフの意向を反映しやすい体制づくりのためだ。
これに対して、ベズルコワ自身、一連の著名な反汚職活動家、さらには与党「国民の奉仕者」の有力議員たちでさえ、大臣の行動は違法であると主張した。結局、1月31日、国防省は、ベズルコワの契約がこの日に終了し、2月1日から国防調達庁(AOZ)の長官職務をジュマディロフが代行すると発表、3月になって正式に長官に就任した。いわば、腐敗を促進する人事を断行したウメロフだからこそ、軍需産業から賄賂をもらっていてもまったく不思議ではないのである。いつまで戦争を続けるのか
2026年予算案では、「国防と安全保障」として、2兆8000フリヴニャ(約8兆9000億円)が計上されている。これは、2026年のGDP予測の27.2%にあたる。2025年補正予算に比べて1686億フリヴニャ(約6000億円)増えている。そう、戦争を止める気などまったくないのだ。
この財源として、一般財源から2兆3000億フリヴニャ(約8兆2300億円)があてられ、2204億フリヴニャ(約7900億円)が軍事個人所得税からの1253億フリヴニャ(約4500億円)を含む特別基金から拠出される。ほかに、準備金から2000億フリヴニャ(約7200億円)、国家保証から300億(約1100億円)が予定されている。「国防と安全保障」予算のうち、とくに武器や技術には7220億フリヴニャ(約2兆5850億円)が回される。武器(弾薬、ミサイル、ミサイル防衛システム、航空機、装甲車)の生産には、少なくとも443億フリヴニャ(約1600億円)が充てられる。軍人の給料には1兆2660億フリヴニャ(約9500億円)、予備費には2000億フリヴニャ(約7200億円)が割り当てられている。
驚きあきれ果てるのは、9月13日、デニス・シュミハリ国防相がロシアによる戦争が最前線を維持し、国防で失われる人命を最小限に抑えるために継続する場合、つまり、戦争をつづける場合、「ウクライナは来年少なくとも1200億ドルを必要とする」との見通しをのべたことである(ウクライナ情報を参照)。前述したように、「国防と安全保障」に約8兆9000億円が計上されているため、残り半額近くを何とかしてくれという話になる(UNNを参照)。まるで、最低600億ドルくれれば、戦うが、その使い道については「とやかく言うな」と脅しているようにさえ聞こえる。米国主導のIMF支援が「命綱」
2026年予算案は、ウクライナのGDPが実質で2.4%成長すると予測している。消費者物価指数は年9.9%の上昇を見込んでいる。しかし、この予測は楽観的すぎる。これらの予測は全体として、多額の海外支援を前提としているからだ。逆に言えば、海外支援が得られなければ、ウクライナ経済は100%破綻するだろう。
たとえば、いまでは、米国、欧州連合(EU)に次ぐ支援をしている国際通貨基金(IMF)が、いつまでもウクライナに甘い顔をしつづけるかどうかについては疑問符がつく。戦争中は、ロシアによるウクライナへの全面侵攻に対抗するために、米国主導のIMFはウクライナ経済の安定のために積極的な融資を展開してきた。
その典型は、2023年3月31日にIMF理事会がウクライナに対する総額1150億ドルの支援パッケージの一部として、拡張基金ファシリティ(EFF)の下、116億SDR(約2兆3000億円)の48カ月(4年間)の新たな延長アレンジメントを承認したことである。
EFFを貸し出す以上、IMFはウクライナ政府に政策上の条件を求めたが、それは決して厳しいものではなかった。だが現在、IMFはなかなか終わらないウクライナ戦争に頭をかかえているはずだ。
実は、今年6月に公表された「IMF Country Report No. 25/156 ウクライナ」では、今年末までに戦争が終結するという基本シナリオが維持されていた(「ウクライナ・ニュース」を参照)。現段階では、このシナリオの実現は困難と思われる。そうなると、IMFの目論見以上にウクライナに貸し込む必要が生まれてしまう。
すでに、戦争継続を前提としているユリア・スヴィィリデンコ首相は、今後2年間で750億ドルの財政赤字が見込まれることから、新たなIMF融資プログラムを申請する意向を表明した。現在のIMFプログラム(前述のEFF)は2027年に期限切れとなり、ウクライナはロシアとの戦争に伴う経済的不均衡を回避するため、外部資金を求めていることになる。つまり、前記の156億ドルに加えて、「もっとカネを貸してくれ」というわけだ。それだけではない。2027年末までの2年間に、IMFは、ウクライナが今後2年間に必要とする資金がウクライナ政府の見積もりよりも200億ドルも高くなる可能性があると判断しているという情報もある。IMFは返済可能な国にしか融資できないから、本来であれば、ウクライナに融資すること自体が背任行為に当たると判断されても仕方のない状況にある。
ウクライナ支援に熱心だったジョー・バイデン政権下では、ウクライナの無理難題も聞き入れられた。しかし、ドナルド・トランプ政権下では、もはやウクライナの要望は「甘え」そのものと受け取られるのではないか。もはやウクライナ経済の「命綱」であるIMF支援に、黄色信号がともっている。EUはどうするのか?
前述したように、ウクライナ財務省がもくろんでいる海外からの支援は、主に、EU、G7諸国、IMF、世界銀行だ。このなかで、ウクライナがもっとも頼りにしているのがEUだろう。9月17日、欧州議会のロベルタ・メッツォーラ議長はウクライナ議会で演説し、「欧州連合(EU)はすでに、軍事支援630億ユーロ(約10兆9000億円)を含む1690億ユーロ(約29兆2400億円)を動員している」とのべた(ウクライナ議会のサイトを参照、下の写真)。なお、軍事援助について、ウクライナのキール世界経済研究所は8月、「開戦から今年6月までに、欧州は防衛調達を通じて少なくとも351億ユーロ(約6兆1000億円)の軍事援助を割り当てている」と書いている。EUはウクライナに対して、昨年5月、「ウクライナ・ファシリティ・プログラム」による資金援助に関する枠組み協定に署名した。EUはこの協定に基づき、2024~2027年の4年間にわたってウクライナに500億ユーロ(約8兆6500億円)を提供する(このうち390億ユーロ(6兆7500億円)は、マクロ金融の安定強化のために国家予算に充てられる)。これに対して、ウクライナは提供された資金の使用について、透明性と管理を確保することを約束している。EU加盟国が1500億ユーロ(約26兆円)の共同融資枠を、武器購入資金に充てることができる後続スキームが、今年3月に欧州委員会によって発表された。加盟国は意欲を示している。しかし、欧州議会はこの措置を支持するとしながらも、手続き上の理由でこれを阻止するために法的措置をとっている(The Economistを参照)。
G7レベルでは、昨年10月のG7サミット電話会議において、ウクライナに約500億ドルの特別収益前倒し融資(ERA)融資を供与する方法について合意に達した。ERAは、凍結されているロシアの国家資産から得られる特別な収益を活用した融資のことであり、融資資金は、ウクライナの予算、軍事、復興支援を目的として、複数のルートを通じて分配・融資される。なお、米国はこの500億ドル融資の一部として、昨年12月、200億ドル分の融資を世界銀行経由でウクライナに供与した(EU側の凍結分は約2100億ドルに相当)。米国の支援は「望み薄」
米国の場合、主に大統領権限(Presidential Drawdown Authority, PDA)を通じて、海外に軍事援助を提供している。PDAは1961年対外援助法に基づき付与されるもので、ウクライナ向けには、2021年8月以降55回以上PDAが発動され、今年1月時点で400億ドル以上の軍事装備品・弾薬を移送した。
これとは別に、米国軍の備蓄品から直接物資を供給するのではなく、防衛装備の購入、訓練、関連支援への資金提供を通じてウクライナに軍事援助を提供する、「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ」(Ukraine Security Assistance Initiative, USAI)もある。USAIは国防総省が管理する議会予算配分プログラムだ。このほかにも、ウクライナへの非軍事援助が、世界銀行の信託を通じて行われている。
今年、米国はバイデン政権下での約束に基づき援助を継続したが、トランプ大統領の登場により、3月と7月の2回にわたって援助が停止された。他方で、米国の装備品の供給は、欧州のNATO(北大西洋条約機構)同盟国からの支払いを担保に実施されるようになった。いわゆる「ウクライナ優先要求リスト」(Prioritised Ukraine Requirements List, PURL)プログラムに基づく商業供与だ。
いずれにしても、米国の来年分のウクライナ支援が減少するのは確実だ。「援助疲れ」と「甘えの構造」
9月17日付のThe Economistは、「ウクライナの財政的な事情で和解を余儀なくされるのは悲劇であり、カネの無駄である」と書いている。だが、私はそうは思わない。腐敗が蔓延するなかで、負け戦が濃厚となっているにもかかわらず、あるいは、厭戦(えんせん)気分がウクライナ国民のなかに広がっているにもかかわらず、「戦争をつづけろ」と無理強いするのは理不尽なのではないか。
他方で、ジェノサイド(大量虐殺)と呼べるような行為をガザ地区で行っているイスラエルに対する見方が、西側で厳しさを増している。とくに、米国は、2016年にバラク・オバマが大統領を退任する前に、主にイスラエルが米国の武器を購入するのを補助するための10年間で380億ドルの援助パッケージ(基本合意書)に署名したが、これは2028年に終了する。
長く甘やかされてイスラエルへの米国民の信頼が揺らいでいる現状では、このパッケージが継続される可能性は薄い。長くイスラエルを甘やかしてきた民主党だけでなく、共和党内のMAGA派勢力も、中東紛争に米国が巻き込まれることに反対している。テレビで流されるパレスチナ人の悲惨を目にすれば、トランプもイスラエルによる傍若無人にいつまでも目を瞑っていられないだろう。
同じように、ゼレンスキー政権の腐敗がオールドメディアによって白日の下にさらされれば、西側諸国の国民の多くはゼレンスキー政権のひどさや「甘えの構造」に気づくだろう。そうなれば、「ウクライナ支援を減らせ」という声が高まるはずだ。しかも、ウクライナを支援してきた国々のなかには「援助疲れ」に陥っている国もある。たとえば、財政難に苦しむフランスに、ウクライナ支援の継続などできるのだろうか。あるいは、深刻な財政赤字の日本が、戦争中のウクライナに支援する理由がどこにあるのだろうか。
支援の名目で西側にカネをせびり、自らの懐にしまい込んでいるゼレンスキーおよびその周辺の人々の実態を、より多くの人が知るようになれば、ウクライナ支援の再考は必然だろう。ウクライナ側から停戦・和平を積極的に求めるようにするために、西側の国々がいったんウクライナ支援を停止する必要性に気づいてほしい。西側は、停戦・和平後にウクライナの復興支援をすればいいのだから。腐敗まみれのウクライナ軍事産業:ゼレンスキー周辺は「真っ黒」
2025.09.04
塩原 俊彦
建設会社は一般に、手抜き工事をすれば、コストを抑えることで不当な利得を得ることができる。手抜きの程度によるが、地震によって倒壊しないかぎり、そう簡単に手抜きの事実は明るみに出ない。
それでは、兵器製造会社はどうするのだろうか。ろくでもない性能の武器を高性能であるかのようにでっち上げ、高く売りつけることができれば、建設会社と同じように、不正な利益をがっぽり懐に入れることができる。戦場で実際には低性能であることがバレるかもしれないが、軍部をも抱き込んでいれば、何の心配もいらない。ウクライナで起きている腐敗
湯水のように、海外から軍事支援が送られてくるなかで、ウクライナでは腐敗した軍事企業が増えている。それを教えてくれたのが8月29日付の「キーウ・インディペンデント」の特ダネである。「ウクライナの新型巡航ミサイル「フラミンゴ」メーカー、汚職捜査に直面」という記事だ(下の写真)。
記事は、国家反腐敗局(NABU)がこのミサイルや長距離攻撃ドローンの製造企業「ファイア・ポイント」(Fire Point)に対し、価格設定と納入に関して政府を欺(あざむ)いた疑いで調査を進めていると、調査に詳しい5人の情報筋がキエフ・インディペンデント紙に明かした、と報じた。NABUはまた、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が以前所有していた映画スタジオの共同所有者を、同社の実質的な受益者と疑い調査を進めているとも伝えた。ただし、NABUはフェイスブックにおいて、「多くのメディアからの問い合わせを受け、NABUと特別反腐敗検察(SAPOまたはSAP)はメディアで言及されたフラミンゴ・ミサイルを調査していないことをお伝えします」と公式に表明している。フラミンゴ以外については何も記していない。「ファイア・ポイント」の最終受益者
捜査当局によると、「ファイア・ポイント」社の最終受益者は、ゼレンスキー大統領と親しい実業家ティムール・ミンディッチである。ミンディッチについては、このサイトに公開した拙稿「ウクライナ各地でついに始まった「反ゼレンスキー」大規模デモ」や「オールドメディアに代わってゼレンスキーの「化けの皮」を明かそう」のなかで紹介したことがある。
映画スタジオ「クヴァルタル-95」の共同所有者であり、コマーシャル・ディレクターだった。彼はゼレンスキーとの親しい関係を利用して、無人機やミサイルを製造する「ファイア・ポイント」のほか、エネルギー、農業、金融、銀行業、メディアなどを経営する実業家としてのし上がった人物として知られている。
6月4日、ウクライナ高等反腐敗裁判所の判事は、NABUの刑事の申し立てを一部認め、ティムール・ミンディッチのいとこであるレオニードを拘束したことが明らかになった(「ウクライナ・フォーブス」を参照)。変圧器設備と電気測定器の購入時にハリコフ・ブレンゴJSCから1250万フリヴニャ(約4500万円)を横領し、さらに1億2000万フリヴニャ(約4・4億円)を横領しようとした計画を組織した容疑である。レオニードは保釈金800万フリヴニャ(約3000万円)を支払い、すぐに釈放されたが、同じ6月、ティムールはモルドバに向けて出国した(国会議員のヤロスラフ・ジェレズニャクのテレグラムを参照)。
どうやらミンディッチは国外逃亡したようだ。彼こそゼレンスキーの意を汲んでさまざまな分野で金儲けをしてきた人物である、とNABUはみなしているから、彼の出奔は今後、ゼレンスキーの腐敗を暴くうえで大きな障害となるだろう。「ファイア・ポイント」の法的所有者
記事によると、「ファイア・ポイント」なる会社の法的所有者はイェホル・スカリハとイリーナ・テレフである。
二人は非営利団体シビック・ハブ(Civic Hub)の資金調達に従事し、それが長距離ドローンプロジェクトへと発展したという。スカリハは、映画業界でロケハンなどを担当していた人物にすぎないし、テレフは以前、ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術(インスタレーション)を制作する会社(テレフグループ)を経営していただけだ。
注目されるのは、記事が「業界関係者2名は、2023年の設立後間もなく、同社は政府から巨額の優遇資金を受けながら、ほとんど機能しないドローンを生産していたと主張している」と書いている点だ。
ゼレンスキーと友人ミンディッチが中心となって、創業期に非効率なドローンしか生産できない企業に対して、政治的優遇が与えられ、劣悪な製品が供給されていた可能性が高い。
まさに、詐欺によってカネ儲けをしていたと考えられる。恐るべき急成長を遂げた
記事は、「ファイア・ポイント」の恐るべき急成長ぶりも伝えている。同社は昨年、政府に対し、FP-1長距離ドローンを132億フリヴニャ(約480億円)相当販売した。国防省の年間予算によれば、同省はその年にドローンに総額430億フリヴニャ(約1560億円)を支出しており、「ファイア・ポイント」はその総額の3分の1弱を占めた。
さらに、なぜか同社の最高技術責任者(CTO)の肩書をもつテレフは、キーウ・インディペンデントに対し、同社が2024年に約2000機の長距離ドローンを販売したとのべた。ドローン1機あたりの販売価格は約5万5000ドルだから、総売上高は約1億1000万ドルとなる計算だ。そもそも販売価格の適正さについて、何の説明もない。
記事によれば、2023~2024年にかけて、「ファイア・ポイント」の収益は400万ドルから1億ドル以上に増加した。従業員数は2023年の18人から現在2200人に増加したという。
こんないかがわしさ満載の会社に対して、政府は2025年に10億ドル超の資金を支払う。さらに、「ファイア・ポイント」は「デンマーク・モデル」と呼ばれる方式でデンマークからも資金を得ている。
同方式は、ウクライナが資金を必要とするリストを作成し、デンマークの専門家が推薦された企業をチェックし、その能力と契約履行経験を評価したうえで、資金供与を行うものだが、デンマーク政府が騙されてきた可能性がある。テレフはキーウ・インディペンデントに対し、「ファイア・ポイント」がドイツ政府との50億ユーロ(約8800億円)規模の契約の一環として資金提供を受けたことも明かしたという。ゼレンスキーの取り巻きが運営する、怪しげな会社であっても、平然と取引契約を結ぶデンマークやドイツの政府関係者も不可解だ。説明責任を果たしていない。そもそも、どんな軍備にいくら払うかについて、兵器そのものの性能が怪しいにもかかわらず、明朗な説明などできるのだろうか。疑わしいAP通信の記事
「ファイア・ポイント」は宣伝がうまい。さすがにテレビや映画の業界にかかわってきた人物らは、どうすれば「騙す」ことができるかについて卓越しているようだ。彼らの企みにまんまと引っかかったのはAP通信だ。同通信は8月21日に長文の「提灯」記事「ウクライナの新興企業が長距離無人機とミサイルを開発、ロシアとの戦いを挑む」を公表した。
冒頭の写真にある巡行ミサイル「フラミンゴ」については、今年、初の巡航ミサイル「FP-5」の試験を完了したもので、FP-5は3000キロメートルを飛行し、標的から14メートル以内に着弾することが可能と書いている。積載量は1150キログラムが可能とされる。このミサイルの初期バージョンは工場のミスでピンク色になったため、彼らはこれをフラミンゴと呼んだのだそうだ(下の写真)。しかし、これをまったく信じない人たちがいることをThe Economistは明確に書いている。8月27日付のThe Economistの記事のなかには、つぎのような記述があるのだ。
「開発スピードが非常に速く、ウクライナの防衛ニーズにほぼ正確に合致しているこのミサイルは、あまりにも出来が良すぎるように思える。一部の競合他社は、それが事実かどうかを疑っている。大統領府に近いという疑惑、非競争的な資金調達、ミサイルがウクライナのものなのかどうかといった噂が絶えない。」
ほかにも、英国のメディアはフラミンゴがウクライナで開発されたものであるかどうかについて疑問を投げかけており、英国を拠点とするミラニオン・グループが製造し、今年アブダビで開催された武器博覧会で公開されたFP-5巡航ミサイルとの類似性を指摘している。
驚くのは、そんなフラミンゴについて、ゼレンスキー大統領が「このミサイルのテストは成功した」と語り、「今のところ、私たちがもっているミサイルのなかでもっとも成功している」と自ら宣伝していることだ(9月1日付Ukrinformを参照)。
ゼレンスキーは、「12月末か1月から2月にかけて、大量生産がはじまるはずだ」とものべており、このわけのわからない会社を「推している」。まるで、「ファイア・ポイント」に大量の資金を流すことを正当化し、同社を儲けさせるように仕向けているようにみえる。
そう考えると、「ファイア・ポイント」の数十の秘密工場の一つにおいて披露されたとAP通信が伝える、最大1600キロ移動可能なFP-1ドローン(下の写真)についても、はなはだ疑わしい。AP通信は、重さ60キロの爆薬を搭載し、石油精製所や武器庫への攻撃を含め、ロシア領内の奥深くへの攻撃の60%を担っているというテレフの説明をそのまま記事にしている。
同社はFP-1ドローンを1日100機生産しているというのだが、この数字は年間約20億ドルに相当する。テレフは2025年は約9000機の生産を予定しているとのべたというのだが、こんな会社の主張を鵜呑みにしていいのだろうか。ウクライナの構造的腐敗
最後に紹介したいのは、8月に公表されたばかりの報告書「腐敗の追跡: 世界の武器取引における新たなパターン」だ。タフツ大学フレッチャー法外交大学院に所属する平和プロセス研究のための慈善財団、世界平和財団が作成したもので、優れた内容になっている。
報告書は、「ウクライナ戦争に関連する武器取引や移転も例外ではなく、軍事調達に組み込まれた体系的な非効率性と腐敗を物語っている」としたうえで、「何十億ドルもの国際援助が国防に注ぎ込まれているが、その大部分は、管理不行き届き、技術的な不備、そして全くの不正行為によって効果を失っている」と指摘している。
「ウクライナ国防省が10万発の迫撃砲を購入するために400万ドル以上を支払ったが、その金は仲介者のさまざまな口座に振り込まれたまま届かなかったという事件があるように、ウクライナ国防省は国防をめぐる官僚と企業の利益ネットワークを維持している」、とも書かれている。
この腐敗構造は、ゼレンスキー大統領を中心にしたものだ。その証拠は、彼が何度も腐敗捜査を妨害しようとしてきたことだ。7月22日には、独立性の高いNABUやSAPOを検事総長に従属させる法案を立法化し、西側の反発を受けると、仕方なく元に戻しそうとした事件が起きた。だが、ゼレンスキーの与党(人民の下僕)は性懲りもなく、今度は、同党のマキシム・ブジャンスキー議員とグリゴリー・マムカ議員が刑事訴訟中の企業保護の保証を改善することを意図した法律案「刑事手続における事業体保護の保証の改善に関するウクライナ刑事訴訟法改正草案」(第12439号)を議会に提出し、立法化しようとしている。
怒ったNABUは9月1日、声明を発表し、「提案された改正は権力を濫用する者を責任追及することを不可能にする」として、同改正案を厳しく批判している。
以上、ここで紹介したことが、ウクライナのゼレンスキー政権の正体である。ウクライナに対して軍事支援する国は、腐敗の蔓延するウクライナに本当に国民の血税を投じてもいいのか、よく考える必要がある。同時に、ここで紹介したウクライナの「現実」を報道しないオールドメディアの不誠実さにも気づいてほしい。「腐敗の追跡: 世界の武器取引における新たなパターン」
Tracing Corruption: Emerging Patterns in the Global Arms Trade
腐敗まみれのウクライナ軍事産業:ゼレンスキー周辺は「真っ黒」
ウクライナ各地でついに始まった「反ゼレンスキー」大規模デモ
2025.07.26
塩原 俊彦
まず、ウクライナ市民がウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対して猛烈に抗議する様子を映した下の動画(1)にアクセスしてほしい。7月22日の夜に、キーウ、オデーサなどで起きた大規模な市民による抗議の声が響いてくるはずだ。さらに、下の動画(2)では、市民は「ゼーリャ‐チョールト」(ゼレンスキー、悪魔!)と叫んでいる。
23日にも、抗議デモは行われた。「ワシントンポスト」によると、大統領府の近くにあるイヴァン・フランコ広場にある劇場の前に、デモ参加者が集った。22日の夜に推定2000人が抗議したよりもはるかに多くの人が参集し、「恥を知れ(ポゾール)!」と叫んだという。メディアがゼレンスキーを断罪
7月22日付の「キーウ・インディペンデント」の社説は、「ゼレンスキーはウクライナの民主主義を裏切った -- そして民主主義のために戦うすべての人も」という悲痛なタイトルであった。この日、ゼレンスキーは、議会が可決したばかりの法案、すなわち、ウクライナの主要な反腐敗機関である国家反腐敗局(NABU)と特別反腐敗検察(SAPOまたはSAP)の独立性を事実上、剥奪する法案に署名し、成立させたのである。ゆえに、社説は、「ゼレンスキー大統領は、個人的な権力を拡大するために、ウクライナの民主的制度を弱体化させるという選択をしている」、とゼレンスキーを断罪している。
事態の深刻さは、数千人規模の抗議デモが同日夜に行われたことでもわかる。「ニューヨークタイムズ」は下の写真とともに、「これは、3年半にわたる戦争のなかで、同国で初めての大規模な反政府デモとなった」と書いている。22日深夜、ゼレンスキーが法案に署名したとのニュースが伝わると、人々は「ゼレンスキーは悪魔だ!」というスローガンを叫び始めたという(動画(2)を参照)。Wartime Protests in Ukraine Target Zelensky for the First Time
米欧主導の二つの反腐敗機関
実は、腐敗していたヴィクトル・ヤヌコヴィッチ政権を米国主導のクーデターによって倒した後、米国は欧州諸国と協力して二つの反腐敗機関(2015年4月にNABU、12月にSAPO)を誕生させた。
NABUは最高レベルの腐敗を調査し、その案件はSAPOが監督・起訴する。その後、高等反腐敗裁判所(HACC)において審理される。その目的は、贈収賄の疑いがある高官を調査・起訴できる独立した反腐敗機関を設立することだった。政治的に従属的で腐敗にまみれた旧来の法執行機関は、この任務を果たせないとみなされていたのである。ウクライナでは、NABU のほかに、国家警察、国家捜査局(DBR)、ウクライナ保安局(SBU)、ウクライナ経済安全保障局(BEB)による一次捜査が行われている。各機関の捜査権限は、刑事訴訟法第 216 条に細かく規定されており、かつ各機関の捜査権限が重なる場合は、NABU の優越性が規定されてきた。さらに、検事総長は大統領によって任命されるため、政治色が払拭されていない。
これに対して、大統領や他の法執行機関などからの政治的影響力を排除し、各機関の独立性を担保するために、外国政府・国際機関が選考プロセスに関与する仕組みがウクライナの法律で定められるようになった。NABU長官にもそれが適用されている(詳しくは、「ウクライナの司法制度と汚職対策」[32頁]を参照)。
米国や欧州は、反腐敗のための捜査、立件、裁判までを政治的干渉なしに可能な独立したルートを設けることで、腐敗の蔓延するウクライナの近代化や民主化につなげようとしたわけである。
この条件は、ウクライナ戦争勃発後の2022年6月、ウクライナのEU加盟を急ぐためにEUとウクライナが合意した七つの加盟条件の一つとなっている。すなわち、第三番目の条件として、腐敗との闘いをさらに強化し、とくに高官レベルにおいて、予防的かつ効果的な調査を実施し、司法手続きの結果と有罪判決の信頼性を示すことが明記されていた。SAPOの新任長官の任命を、公募の勝者を承認することで完了し、ウクライナNABUの新任長官の人事選考・任命プロセスを開始し完了することまで書かれていた。新法で腐敗防止システムが崩壊
ところが、ゼレンスキーは7月22日の新法によって、この大切な腐敗防止システムを崩壊させたのである。しかも、そのやり方は「汚い」ものだった。
7月22日午前、議会の法執行委員会は臨時会議を開く。戒厳令下の行方不明者に関する刑事訴訟法の改正に関する法律案第12414号の修正案が審議された。法案12414号の当初案は、戒厳令中の行方不明者捜索手続きの簡素化を規定していた。しかし最終版には、NABUとSAPOの業務に関する修正案が含まれていたのだ。委員会はこの修正案を承認し、同日、大統領派閥「人民の奉仕者」の代表は、修正法案を議会の議題とし、採決に持ち込んだのである。ゼレンスキーは、「ロシアの影響」が疑われる機関の独立性を弱める必要を主張していた。結局、263人の国会議員(大統領派閥の185人を含む)が法案を支持し、法案は議会で承認された。任期切れながら議員をつづけている多くは、戒厳令下で絶対的権力をもつゼレンスキーに傅(かしず)いているのだ。
7月22日夜、ゼレンスキーはこの文書にすぐに署名した。「キーウ・インディペンデント」によれば、修正案の提出から投票、議会議長による署名、そして大統領による法案の成立(23日施行)まで、24時間未満しか経過しておらず、「前例のない速さ」であったという。
この新法は、NABUとSAPOの独立性を廃止し、二つの反腐敗機関を検事総長に所属させるための姑息な法律である。具体的には、検事総長が反腐敗検察官を直接監督することになる。従来、検事総長はNABUの管轄に属する事件を局から奪う権限をもっていなかった。新法は、検事総長にこの権限を付与する。
具体的には、検事総長は、(1)SAPO検察官の権限を他の検察官に委譲する、(2)あらゆる事件の資料を要求し、他の検察官に委任する、(3)NABUに拘束力のある書面による指示を与える、(4)NABUの刑事手続きを他の公判前捜査機関に委任する――などが可能となる。ゼレンスキーの暴挙の背景
ゼレンスキーは、なぜ米国や欧州が何年もかけて構築してきた腐敗防止のためのシステムを瓦解させようとしたのか。いくつかの背景がある。
第一に、トランプ政権の無関心がある。NABUもSAPOもジョー・バイデンが副大統領や大統領であった時代に育成してきた機関だから、トランプはこれらの組織がどうなろうとほとんど気にしていない。しかも、外国支援の削減方針のもと、これらの機関への財政支援も極端に減少していた。
第二に、EUは、ゼレンスキーの権威主義を批判することで、戦争の最中にあるウクライナに害が及ぶことを恐れ、多少、手荒な出方をしても、厳しい措置はとらないだろう、とゼレンスキー政権がEUを見くびっている面があった。22日だけでなく23日も市民による抗議行動がつづいたため、ゼレンスキーは早速、23日夜、「私はウクライナ最高議会に、法執行機関の権限強化を目的とした法案を提出する」とのべた。それによって、ロシアの影響や干渉が法執行機関の活動に一切及ばないようにして、「反腐敗機関の独立性を確保するすべての規定は維持される」と弁明した。
さらに、24日夜、ゼレンスキーは「NABUおよびSAPOの権限強化のためのウクライナ刑事訴訟法およびウクライナの一部立法行為の改正に関する法律案」を議会に提出した。この法案は「SAPOを、NABUの管轄下にある犯罪の捜査を独自に指揮する機関としての地位を確立するための規定を含む」とされているが、本当に、いままでの独立性が堅持されるかについては未知数だ。さらに、「国家機密にアクセスできるNABU職員は、6カ月以内にウクライナ保安局(SBU)が実施するポリグラフ検査を受ける義務がある」との項目が含まれている。
いずれにしても、前述したように、きわめて独立性の高かったがゆえに、NABUとSAPOをあえて骨抜きにしたゼレンスキーの話を信じるウクライナ市民やEU指導者はいるだろうか。しかも、議会は8月末まで公式に休会中との話もあるから、24日に提出された法案がいつ制定されるかはわからない。反腐敗機関を事実上、廃止する法案に反対した議員が13人しかいない議会自体がまったく民主主義を踏みにじっていることを世界中に知らしめたことを忘れてはならない。
第三に、ゼレンスキーは自らの陣営の腐敗を隠蔽するために、NABUの攻勢に対抗する必要があった。NABUは、(1)7月の内閣改造まで副首相、副首相兼国家統一相だったオレクシー・チェルヌイショフを立件する途上にある(詳しくは拙稿「兵士不足のウクライナ軍が外国傭兵部隊と化していく現実」を参照)。
(2)映画プロデューサー兼実業家で、ゼレンスキーが大統領就任前に共同設立した「クヴァルタル95」の共同経営者の一人ティムール・ミンディッチへの捜査。
(3)先に説明した外国の「国際的な専門家」の助けを借りて、NABUの刑事オレクサンドル・ツィヴィンスキーを経済安全保障(BEB)局長官候補に擁立することができた(閣僚会議は任命を拒否)。
(4)イェルマーク大統領府長官に対する批判キャンペーンが西側メディアで開始された――など、ゼレンスキー政権にとって看過できない状況を生み出していたのである。ゼレンスキー政権による反撃
権力者であるゼレンスキーは最近、露骨な反撃に出ていた。7月11日、国家警察(国家捜査局)は反腐敗センター(ACC)の創設者であるヴィタリー・シャブニンを兵役逃れと詐欺の容疑で逮捕した。シャブニンは2022年から軍務に就いており、汚職や政府の行き過ぎを声高に指摘していたが、今回の告発は彼の反腐敗活動に対する「政治的復讐」とみられており、ペトロ・ポロシェンコ前大統領を含む議員たちは彼を擁護している。
7月21日には、検事総長事務所、ウクライナ保安局(SBU)および国家捜査局は、NABUの捜索を行った。7月22日朝時点の情報によると、19人の職員を対象に80件の家宅捜索が行われ、数人が逮捕された(「メドゥーザ」を参照)。拘束された者のなかには、父親がロシア国籍を持つNABUの刑事部門の責任者であるルスラン・マハメドラスロフがいる。もう一人の職員は国家反逆罪で告発されている。「キーウ・インディペンデント」によれば、SBUは、マハメドラスロフがウクライナから逃亡した親ロシア派議員フェディル・フリステンコと接触しているとも主張している。
検察庁は、フリステンコが別のNABUの刑事部長オレクサンドル・スコマロフとも接触していたと主張し、スコマロフの妻は2022年にウクライナを出国する際、フリステンコの家族が所有する車を使用したという。NABUが踏んだ虎の尾とは?
こうした双方の対立のなかで、ゼレンスキーが新法を急いだ最大の理由があるという見方がある。それは、NABU支援グループの活動的メンバーの一人であるジャーナリストのユーリイ・ニコロフの主張である。
彼は、2023年3月、当時のオレクシー・レズニコフ国防相下で明らかになった、軍用食糧の購入に関する腐敗を暴露した調査報道記者だ。軍の調達する卵1個が17フリヴニャ(約0.5ドル)であったのに対し、卸売市場では1ダース1ドル強であった。同年9月になって、レズニコフはようやく辞任に追い込まれた。その彼に言わせれば、NABUが虎の尾を踏んだというのだ。すなわち、NABUの刑事が無人機製造に手をつけたために、NABUが破壊されようとしているという。ニコロフは、「機密扱いの契約のもと、数百億フリヴニャがゼレンスキー自身のパトロン企業や、イェルマーク、アラハミヤ(与党「人民奉仕者党」会派トップ)に与えられていた」、と自分のブログで明確にのべている。この腐敗が暴露されると、大混乱どころか、失脚につながることを恐れたゼレンスキーは「NABU壊滅」を急いだというわけである。
大胆不敵なのは、ウクライナのデニス・シュミハリ国防相が問題の7月22日、ウクライナは来年少なくとも1200億ドルの国防費が必要になるとのべていたことである。外国公館長会議の席上での発言だが、欧米諸国や日本は、民主主義を裏切り、反腐敗機関まで事実上の廃止に追い込む国に軍事支援を継続するのだろうか。
ゼレンスキーを頭目とする、恐るべき腐敗集団の懐に、各国国民の税金が流れている現実を知るべきだろう。G7、EU、米国での反応
実は、主要7カ国(G7)の各大使は、7月21日時点で、「複数のNABU職員が犯罪の疑いで捜査を受けている。私たちは本日、NABUと面会し、深刻な懸念を抱いており、政府首脳とこれらの進展について話し合うつもりである」とXに投稿した。23日付の「ウクライナ・プラウダ」によると、欧州委員会報道官ギヨーム・メルシエは、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、事態の進展を受けてゼレンスキーと連絡を取り、深刻な懸念を表明し、キエフ側に説明を求めるとのべた。
EU拡大・近隣政策担当の欧州委員、マルタ・コスは、22日の議会での投票について、「深刻な懸念を抱いている」、とXに投稿した。NABUの独立性を保護する重要なセーフガードの撤廃は、「重大な後退」としている。
米国では、ウクライナ特使のキース・ケロッグの娘で、RTウェザーマン財団の会長であるミーガン・モブスは、今回のゼレンスキーによる暴挙について、「この決定は、本当に、信じられないほど、理解に苦しむほど愚かなものだ」、と率直に書いている(EurAsia Dailyを参照)。
23日、上院外交委員会のジャンヌ・シャヒーン上院議員(民主党)とリンゼー・グラハム上院議員(共和党)は、NABUやSAPOを弱体化させる法律が可決されたことを受け、声明を発表し、「ウクライナへの支援を打ち切るためにもっとも広く使われている話題の一つは、ウクライナが腐敗に満ちているというものだ。我々は、ウクライナがこの面で前進を続けていることを認め、その前進を損なうような行動を慎むよう政府に求める」とした。
しかし、欧米や日本のマスメディアは、「悪魔」と呼ばれるゼレンスキーのひどさを、十分に報道していない。「恥を知れ!」
7月23日付のThe Economistは的確な指摘をしている。「西側諸国には、このような事態を招いた責任の一端がある。その指導者たちは、戦争の初期の流れを変えた英雄主義をもつゼレンスキーを称賛し、そのために彼の失敗のリストが増えつづけていることに目をつぶるようになった」というのである。
同じことが欧米や日本のマスメディアにも言えるだろう。ゼレンスキーという「善人」を批判できないというわけだ。2022年に上梓した拙著『ウクライナ3.0』において、私は、「ぼくの『ウクライナ3.0』と『プーチン3.0』を丹念に読んでもらえば、今回のウクライナ戦争が決してプーチンの「悪」によってのみ引き起こされたわけではないことがわかるだろう」(157頁)と書いておいた。こんな私からみると、いつまでもゼレンスキーの肩をもちつづけているマスメディアに対して、「恥を知れ!」という言葉を浴びせたいと思う。オールドメディアに代わってゼレンスキーの「化けの皮」を明かそう
2025.08.02
塩原 俊彦
前回の拙稿「ウクライナ各地でついに始まった「反ゼレンスキー」大規模デモ」で紹介した反ゼレンスキーデモは、いまでも小規模ながらつづいている(下の写真)。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領による二つの反腐敗機関、すなわち国家反腐敗局(NABU)と特別反腐敗検察(SAPOまたはSAP)を事実上、骨抜きとする法律の制定に激怒する人々の怒りは、そう簡単には収まらない。ゼレンスキー大統領のねらいは、自分およびその周辺人物への捜査を避けるために、NABUやSAPOを自分の息のかかった検察庁の支配下に置いて捜査を妨害することであった。贈収賄事件を握り潰そうとする行為は民主主義の蹂躙(じゅうりん)そのものだ。だからこそ、7月26日付の「フィナンシャル・タイムズ」は、今回の暴挙によって、大統領は「民主主義の台座から転げ落ちた」と的確に指摘している。
もちろん、欧州連合(EU)も反発し、7月26日付の「ニューヨークタイムズ」は、「EUは7月25日に、総額45億ユーロ(1ユーロ≒170円、以下同)の基金から15億ユーロの支払いを保留するとのべた」、と報じた。この減額は、ウクライナ支援基金の第4回トランシェ(部分支払い)に関するもので、全トランシェの支出に必要な16の改革のうち三つ((1)地方分権改革、(2)汚職その他の犯罪に由来する資産の発見・追跡・管理のための機関[ARMA]改革、(3)汚職防止高等裁判所の裁判官の選出に関する問題)を実施できなかったため、計画よりも少ない資金しか受け取れないことになったのである。ただし、これは、今回のゼレンスキーによる暴挙とは直接的には関係していない。事実、27日、ゼレンスキーは、ARMA改革に関する法律に署名した。
問題は、28日付のドイツの「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」(FAZ)の報道の方だ。「EU委員会は、ウクライナに対しすべての財政支援を停止する可能性を警告した」と報じたとのである。7月29日付の「エコノミチナ・プラウダ」は、「7月24日、EU代表は外交ルートを通じてスヴィリデンコ(首相)政府に、ウクライナへのすべての資金援助を停止すると通告した」と報じた。政府、外交界、議会の4人の独立筋によって確認された情報だという。そのうちの一人は、「事態が解決するまで、すべてが保留になった」と語った。
停止されたのは主に、凍結されているロシアの国家資産から得られる特別な収益を活用した特別収益前倒し融資(ERA)(ウクライナが2025年末までに受け取る予定だった約200億ドル)のEU負担分や、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行からの融資に関するものである。なお、前述した15億ユーロの減額は、「ウクライナ・ファシリティ」と呼ばれるEUによるウクライナへの財政支援にかかわるものであった。
いずれにしても一時停止を解除してもらうためには、ウクライナはNABUとSAPOの検事総長からの独立性を回復しなければならない。同時に、ウクライナ経済安全保障局(BEB)長官人事の任命も条件となっている。閣僚会議は、NABUの刑事オレクサンドル・ツィヴィンスキーを経済安全保障(BEB)局長官候補の任命を拒否したという前科がある。BEBは、税金の未納について捜査でき、この捜査を通じて、国会議員、高級官僚、裁判官などの有力者の腐敗を糺す機関だけに、NABU出身の者がトップに立つことをゼレンスキーは明らかに妨害したのだ。正反対の新法案の審議は7月31日
ただ、ゼレンスキーは、英国のキア・スターマー首相らの進言を受け入れて、NABUとSAPOを事実上骨抜きにする法案が成立した22日から2日後の24日夜、今度は、「NABUおよびSAPOの権限強化のためのウクライナ刑事訴訟法およびウクライナの一部立法行為の改正に関する法律案」を議会に提出した。新法案は、反汚職機関に独立性を回復させるもので、物議を醸した法律を事実上廃止するものらしい。
ただし、ロシアの影響力疑惑の問題に対処するために、一つの重要な追加事項が加えられている。これまでとは異なり、機密情報にアクセスできる法執行機関の職員は、少なくとも2年ごとにポリグラフ(ウソ発見器)検査を受けることが義務づけられる。
ここで注目されるのは、「ゼレンスキー議員、「復讐」の恐れから汚職防止機関の復活に難色を示す」という記事を「フィナンシャル・タイムズ」が26日に報じたことだ。ウクライナの指導者に近い3人の人物によると、与党「国民奉仕者」の70人もの議員が、22日の新法の撤回に不安を示しているというのだ。それほど、NABUによる自分たちの腐敗摘発を恐れているというわけである。ゼレンスキー政権の悪辣さ
今回の暴挙によって、戦争のために目を瞑(つむ)ってきたゼレンスキー政権の悪辣さを明るみに出す動きもある。先のFTは、(1)大統領選挙と議会選挙は戒厳令下で合法的に延期されたが、国民統合政府をつくろうともせず、決定について野党と協議しようともしなかった(独裁的な政権運営)、(2)有能だが独立心旺盛な役人は、イエスマンやウーマンに取って代わられた(新首相になったばかりのユリア・スヴィリデンコ[戦争中でありながらファッション誌『ヴォーグ』の写真撮影に応じた人物]が典型)、(3)人気が出すぎた閣僚は脅威とみなされる(閣僚ではないが、人気の高かった軍総司令官ヴァレリー・ザルジニーは駐英大使に異動)、(4)テレビ局は政府公認のニュース速報を流すことを強制され、自由な意見交換を阻害している、(5)他の報道機関のジャーナリストは圧力や脅迫に直面する(前回の拙稿で紹介したヴィタリー・シャブニンの逮捕)、(6)批判的なメディアの報道はロシアの情報操作として否定される(NABOやSAPOにもロシアの影響があるから廃止に舵を切るとゼレンスキーは説明したが、「EU委員会は反腐敗当局に対する措置の背景にロシアの影響はないとみている」、と前述したFAZが報道)――などを挙げている。ほかにもまだまだたくさんある。ゼレンスキーは意図的に制裁対象者リストに「政敵」を収載してきた。元大統領で野党の一つを率いるペトロ・ポロシェンコがその典型である。さらに、最近では、大統領を批判する書籍『ジョーカー。ウラジーミル・ゼレンスキーの真の政治的伝記』を執筆した政治学者コンスタンチン・ボンダレンコも制裁対象とした。ボンダレンコは、この著作の出版後にリストに載せられもので、明らかに批判を許さないというゼレンスキー政権の怖さを示している(ただし、ポロシェンコもまた反政府的言動を認めない恐怖政治を実践していた)。
ほかにも、市民権の剥奪という強権を行使している。2025年7月、ゼレンスキーは、ゼレウクライナ正教会のトップであるキーウと全ウクライナのオヌフリイ大主教の市民権を抹消した。ウクライナ保安局(SBU)によると、オヌフリイ大主教は「2002年に自発的にロシア国籍を取得」したが、そのことをウクライナ当局に報告していなかったという。当局は、ウクライナ憲法第25条が「ウクライナ市民は市民権を剥奪されず、市民権を変更する権利を有する」と明記しているにもかかわらず、このような措置を講じているのだ。これがゼレンスキー政権の実態なのだ。イェルマーク大統領府長官の咎
ここで、ゼレンスキー政権における腐敗の蔓延についても書いておこう。実は、1年以上前の昨年6月25日付で拙稿「もはやここまで…汚職で腐りきったウクライナ政府の実情を全暴露する」において、ウクライナの腐敗のひどさについて紹介したことがある。あるいは、2023年4月刊行の拙著『ウクライナ戦争をどうみるか』の「第三章 ウクライナ側の情報に頼りすぎるな」では、第二節で「腐敗国家ウクライナ」について詳述した。128頁には、「ウクライナの腐敗状況」という表までつけておいたので、関心のある読者はぜひご覧いただきたい。ここでは、アンドリー・イェルマークが長官を務める大統領府が「伏魔殿」となり、腐敗が横行してきた事実について説明しよう(なお、イェルマークとゼレンスキーとの関係については拙稿「ゼレンスキー大統領を操る「ウクライナのラスプーチン」の正体」をぜひ読んでほしい)。2020年2月にこの地位に登りつめた彼は、翌月、弟デニスの問題で、早くもNABUとSAPOと対決した。
2020年3月31日付の「ウクライナ・プラウダ」によると、2020年3月、与党「国民奉仕者」のゲオ・レロス議員は、NABUに、大統領府長官の弟デニスが「役職を売買」している様子を撮影したビデオを添付した申し立てを提出し、兄アンドリーの汚職関与について調査を行うよう要請した。この動画には、ある個人を政府機関の特定の職位に採用する交渉を行っている様子が映っており、提案された役職には、キーウ税関、インフラ省、ウクライナ鉄道などの役職が含まれていた。デニスは、自身が公開された動画に映っていることを認めたが、同時に、その動画は改竄(かいざん)され、一部が切り取られ、フレーズが削除されていると主張した。
結局、イェルマーク兄弟は不正行為の告発を否定し、2021年春、NABUはこの腐敗事件を終結せざるをえなかった(「キーウ・インディペンデント」を参照)。おそらく、この一件がイェルマークを鍛え、腐敗し放題の環境を生み出したのではないか。逆に、NABUやSAPOはイェルマークの腐敗体質を心に刻み、報復を誓ったに違いない。「大統領府」対NABU
大統領とNABUの遺恨は、イェルマーク長官が2020年夏、(親ロシア派の)ヤヌコヴィッチ元大統領時代に内務省の主要捜査局長として物議を醸したオレフ・タタロフを副長官に任命する人事につながる。タタロフは法執行システムに関する責任を与えられ、それがNABUと大統領府との関係を緊張に導いた。
それでも、2020年、NABUはタタロフ副長官を、元議員マクシム・マイキタスの代理として法医学専門家に25万フリヴニャ(約150万円)の賄賂を渡した罪で起訴する。この事件は、ゼレンスキーの子分であるイリーナ・ヴェネディクトワ元検事総長、ウクライナ保安局(SBU)、ウクライナの腐敗した司法当局によって妨害され、事実上破棄された。
さらに、同年、オレクシー・シモネンコ副検事総長(当時)は裁判所の判決を口実に、タタロフ事件を独立したNABUから大統領管理のウクライナ保安庁(SBU)に移管する。その後、シモネンコはタタロフ事件を担当する検事団を交代させ、事件を妨害しようとした。
2021年、裁判所はタタロフ事件の捜査延長を拒否した。シモネンコの部下である検事たちは、裁判にかける期限に間に合わなかったことで、この事件を事実上葬り去ったのである。その結果、タタロフはいまでも副長官のポストに居座っている。
他方で、イェルマークによるタタロフ偏重は、2019年9月から副長官のアンドリー・スミルノフを追い詰める。NABUは昨年、スミルノフを不正蓄財で、今年4月にはマネーロンダリングと賄賂受領で起訴するに至る。昨年3月には、副長官を解任された。つまり、イェルマークが守る対象ではなくなっていたことになる。同じく、2019年5月から大統領府副長官だったキリロ・ティモシェンコも、2023年1月に大統領府を去った。約10万ドル(約1500万円)相当のポルシェ「タイカン」を乗り回していた彼は、汚職を疑われていた。
まだ他にもある。ゼレンスキーはロスティスラフ・シュルマ大統領府副長官を、ウクライナ戦争中の昨年9月に解任したのである。発端は、ジャーナリストによる調査報道で2023年8月、シュルマの兄弟の会社が、ウクライナ政府からロシア占領地域における太陽光発電所建設のための再生可能エネルギー補助金として資金を受け取っていたことだった。合計で3億2000万フリヴニャ(約11億4000万円)以上を不正に受け取っていたという。
それにもかかわらず、ロスティスラフ・シュルマは居座りつづけた。彼が解任されたのは、昨年になって、シュルマがウクライナ全体の経済に過度の影響を及ぼしているとして、制裁を科すことを米国務省が検討しはじめたためであると言われている。ゼレンスキーはシュルマの解任を余儀なくされたのだ。
辞任後、3人の子供の父親であるシュルマはウクライナを離れ、本格的な侵攻がはじまってから家族が住んでいたドイツに向かった。ロスティスラフ・シュルマの弟オレフ(検察庁直員だった)も、3人目の子供が生まれた後に出国した。彼は前述したNABUとSAPOの取り扱っていた事件の被告でもある(「ウクライナ・プラウダ」を参照)。
これらの情報が事実であるとすれば、ゼレンスキー政権は刑事被告人に甘く、戦争忌避に対しても恣意的な差別待遇を行っていると言えるだろう。ゼレンスキーが焦った本当の理由
前回の拙稿で、NABUの刑事が無人機製造に手をつけたために、NABUが虎の尾を踏んだと紹介した。この件をもう少し具体的に説明してみたい。
ゼレンスキー大統領の最も親しい友人の一人で、Kvartal-95スタジオの共同経営者ティムール・ミンディッチが渦中の人物だ。今年6月初旬、NABUはウクライナから逃亡しようとしていたミンディッチの親族を拘束した。彼は6億6400万フリヴニャ(約23億6000万円)相当の横領で告発されている。そして、ここ数カ月、ミンディッチの名前はドローン生産の文脈で活発に言及されている。さらに、NABUの刑事がミンディッチのアパートを盗聴したことも知られている。オレクシー・ゴンチャレンコ議員は自らのフェイスブックにおいて、7月25日、NABUが大富豪ゲンナジ・ボゴリュボフ(有名なオリガルヒ、イホル・コロモイスキーのビジネスパートナー)のアパートからミンディッチのアパートに穴を開けた話を書いている。「彼のアパートはミンディッチの部屋の上にあり、そこからミンディッチのアパートに穴を開け、盗聴することができた」というのである。(逆に、ミンディッチの住居が上にあり、ボゴリュボフの部屋が水浸しになる出来事が起き、ボゴリュボフの住居部分を修理した間、盗聴したという説もある)。盗聴期間が数カ月にすぎなかったのはそのためかもしれない(別の情報では、3カ月で、「ゴンチャレンコによれば、ミンディッチのアパートは「影の大統領府のようなもので、そこで武器売却の契約、エネルギー分野での賄賂、企業の搾取、どの大物実業家が制裁下に置かれたまま派遣されるかを話し合っていた」という)。
それでも、「ミンディッチとゼレンスキーの下で起こっているすべての汚職について、多くの有益な情報が得られることを願っている」、と議員はのべている。この話が真実であれば、ゼレンスキーの化けの皮が暴かれるかもしれない。だからこそ、暴挙に出たという推測が可能だ。沈黙するトランプのねらい
7月29日の段階で不気味なのは、ドナルド・トランプ大統領がこのゼレンスキーの暴挙に沈黙を守っていることである。常識的に考えれば、ここで紹介したようなゼレンスキー政権の内幕を知れば、ゼレンスキーなる人物に肩入れする理由はないはずだ。とくに、7月23日に公開した拙稿「これがウクライナの「現実」…ゼレンスキー大統領追放のカウントダウンが始まった!」に書いたように、「もしゼレンスキーがオフィスを去ることを拒否すれば、おそらくそうなるだろうが、ある米政府関係者は私にこう言った:『彼は力ずくで追放されるだろう。ボールは彼のコートにある』」、という著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュの見立てが正しければ、もはやトランプ政権はゼレンスキーを完全に見放していることになる。そうであるならば、7月28日、なぜトランプは、「今日から 10 日から 12 日程度を新たな期限とするつもりだ。待つ理由はない」とのべ、今月初めにウラジーミル・プーチン大統領に、ロシアが 50 日以内に和平合意に同意しない場合、「非常に厳しい関税」を課すと警告していた期限を前倒しすることにしたのだろうか。
その理由は現段階ではよくわからない。いずれにしても、ゼレンスキーの化けの皮はすでに露わになりつつあり、彼を相手にしなまま、いかに停戦・和平にもち込むかが新しい課題になりつつあるように思われる。残念ながら、不誠実なオールドメディアが偉そうにしている欧米や日本では、そう報じてはいないが。オールドメディアに代わってゼレンスキーの「化けの皮」を明かそう
腐敗と戦争から脱出するには国民1人1人が知ること
カネのためにウクライナ戦争継続を求める欧州指導者たちが躍進させた「チェコのトランプ」
2025.10.09
塩原 俊彦
拙稿「ウクライナの来年国家予算案に仰天…8.9兆円もの国防費をたかる気か⁉」に書いたように、ウクライナは海外からの支援なしには来年まで戦争を継続できない。逆に言えば、支援の削減や停止を材料にすれば、ウクライナ側に戦争を停止するよう圧力を加えることができる。しかし、欧州のほとんどの国はウクライナへの支援を継続する方針であり、ウクライナに停戦・和平への圧力をかけていない。
だが、チェコの下院選の結果は、ウクライナへの支援がいかに欺瞞(ぎまん)に満ちたものであるかについて、一般国民が理解できることを示している。そう、ハンガリーやスロバキアに次いで、チェコの新政権もウクライナ支援に慎重姿勢をとることが確実になったのである。「チェコのトランプ」が大躍進
10月3、4日に実施されたチェコの下院選結果によると、「チェコのトランプ」とも呼ばれる億万長者のアンドレイ・バビシュ(下の写真)が率いる「不満をもつ市民の行動」(ANO)が第一党となった。ウクライナへの軍事援助を削減することが、ほぼ確実となったのである。
NYT(ニューヨークタイムズ)によれば、「賛成」を意味するANOは、減税、年金増額、エネルギー価格の上限設定、政治家の給与凍結を公約に掲げていた。さらに、ウクライナの対ロシア防衛を支援するための軍事援助の継続には慎重で、3年半におよぶ戦争に対する有権者の厭戦(えんせん)気分に配慮して、ウクライナ支援をチェコ経済に振り向けるよう主張している。200議席ある国会で80議席を確保したANOは、チェコ出身の日系企業家トミオ・オカムラ(下の写真)が率いる反移民政党「自由と直接民主主義」(SPD)などとの連立政権樹立をめざす。「クーリエ・ジャポン」によれば、トミオ・オカムラの父親は日本人と韓国人のハーフで、母親はチェコ人だ。SPDは、移民政策に断固として反対し、欧州連合(EU)からの脱退を主張し、イスラム教を「ヒトラー型ナチズム」と同等だとみなしている。もちろん、ウクライナ支援にも反対している。いずれにしても、「ウクライナの戦争努力に対するチェコの軍事支援は、バビシュ政権下で大きく変わる可能性が高い」とBBCは指摘している。バビシュは、ウクライナのためにプラハ経由で砲弾を購入する計画は腐敗していると訴えた。選挙前夜には、ロシアによるウクライナの完全占領を防ぐという目標はすでに達成されており、さらなる軍事援助は再考されるべきであるとした。
しかし、残念ながら、大きな選挙が間近にない他の欧州諸国では、既存の政治指導者らによる欺瞞がいまでもつづいている。特に、6日にセバスチャン・ルコルヌ首相が退陣したフランスでは、その欺瞞が露わになろうとしている。ウクライナ支援で「国防費率」稼ぎ
私が欧州の政治指導者らを下劣だと痛感したのは、昨年7月10日に発表された北大西洋条約機構(NATO)の「ワシントン・サミット宣言」の最後にある「ウクライナへの長期安全保障支援を約束」の第四項において、「NATO、二国間、多国間、その他の手段を問わず、上記の基準によるウクライナへのすべての連合国支援はカウントされる」と規定されていることを知ったときだ。「上記の基準」とは、①ウクライナへの軍事装備の購入、②ウクライナに提供される現物支援、③ウクライナ向け軍事装備のメンテナンス、ロジスティクス、輸送に関する費用、④ウクライナのための軍事訓練費用、⑤ウクライナへの軍事支援に関連する運営費、ウクライナの防衛インフラおよび防衛産業への投資および支援、⑥非殺傷援助を含む、ウクライナのためのNATO信託基金へのすべての拠出――を指す。
つまり、NATO加盟の欧州諸国は、ウクライナに支援すれば年間防衛支出にカウントされ、その対国内総生産(GDP)比を引き上げるのに役立つ。これは、年間国防費/GDPを高くみせかけて米国のドナルド・トランプ政権の要求(欧州加盟国の防衛負担を高めよという要請)を満たすうえで好都合ということになる。
しかし、それは、欧州の政治指導者がウクライナ戦争を早期に停止するようウクライナ政府に圧力をかけるのではなく、ウクライナにロシアの弱体化のための代理戦争を何の当てもなく継続させるというインセンティブを働かせている。欧州の政治指導者のなかには、ウクライナ戦争を利用して国内世論の反発を受けずに国防費/GDPを引き上げようとする下劣な政治家がいるのではなかろうか。
なお、日本政府がどうしているかを私は知らない。日本もまた、NATO加盟の欧州諸国と同じように、トランプ大統領を納得させるために国防費/GDPを高く見せかけるため、ウクライナへの支援を国防費として含めていないのだろうか。ぜひとも、国会審議で明らかにしてもらいたい。戦争が終わらない本当の理由
実は、ウクライナ戦争がなかなか終わらない本当の理由も、欧州の政治指導者が関係している。彼らは、ウクライナがロシアに負ければ、ロシアからウクライナへの賠償金が取れず、自分たちのウクライナ支援が無駄となり、さらなる資金負担がのしかかってくるのを恐れているのだ。ゆえに、ウクライナに代理戦争をつづけさせて負担を先送りし、あわよくばロシアに賠償金を支払わせることで、自分たちの財政負担を少しでも軽減しようともくろんでいることになる。
本来であれば、拙稿「ウクライナの来年国家予算案に仰天…8.9兆円もの国防費をたかる気か⁉」に書いたように、ウクライナ経済は欧米や日本、さらに、国際通貨基金(IMF)の支援がなければ破綻状態に陥る。兵員不足や脱走兵増加に加えて、ウォロディミル・ゼレンスキー周辺の腐敗などを考えれば、こんなウクライナを支援するよりも、一刻も早く停戦・和平にもち込んで、復興・復旧に邁進させるほうがウクライナにとっても欧州諸国にとっても望ましいはずだ。それにもかかわらず、欧州諸国の政治指導者たちはオールドメディアを味方につけて、ウクライナの惨状を各国国民に報道させないまま戦争継続に賭けているように映る。注目される「賠償ローン」
来年も戦争をつづけるとなると、こうした国や国際機関はさらなる負担を強いられる。そのために、9月10日、欧州連合(EU)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は「2025年一般教書演説」のなかで、「凍結されたロシアの資産に基づいてウクライナの戦費を賄うための新たな解決策に早急に取り組む必要がある」とのべた。そのうえで、「ロシア資産に関連する現金残高を使えば、ウクライナに賠償ローン(reparation loan)を提供することができる」との考えを示した(下の写真を参照)。
賠償ローンはウクライナの戦争資金を援助することを目的としたもので、ウクライナがロシアから賠償金を受け取って初めて返済されることになる。その意味で、ロシアからの賠償支払いがなければ、ウクライナは融資を返済しない。ウクライナに対する米国の軍事資金援助が終了し、多くのEU諸国政府が財政難に直面していることから、欧州委員会は、2026年と2027年にウクライナを支援するために、凍結されたロシアの中央銀行が所有する資産(現金残高)を利用することをEUに提案するようになったわけである。欧州のリーダーたちの悪企み
10月1日、EU首脳はコペンハーゲンに集まり、ウクライナの防衛とさらなる支援に関する非公式会合を開いた。そのなかの主な議題の一つとして、欧州で凍結されたロシアの資金を利用したウクライナへの賠償ローン問題が話し合われた。
ロイター通信の報道によると、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、首脳会談後、「私はこの案(賠償ローン)を強く支持する」とのべたという。他方で、凍結された資産の大半を所在するベルギーは、「この計画に同意する前に、ロシアの資産を突然返還しなければならなくなった場合、モスクワへの対応を自分たちだけに任せない」というEUの強力な保証が必要だ、と断固として主張している。フランスとルクセンブルクもこの考えを支持している。つまり、賠償ローンの実現までには、まだまだ越えなければならないハードルがいくつも残されているのだ。結論として、この非公式会合では、凍結されたロシアの資産を担保にウクライナに1400億ユーロ(約24兆8000億円)の融資を行うという提案について合意に至らなかった(FTを参照)。いまのところ、10月23~24日に開催されるEU首脳会議で、EU首脳が欧州委員会に対し、法的に問題のない具体的な提案を準備するよう指示することが予想されているだけだ。賠償ローンへの対抗策
実は、現段階(10月2日時点)では、EUがどのような賠償ローンを行おうとしているのかわからない。ただ、そのねらいは、自国のカネをできるだけ使わずにウクライナを支援するために、2022年2月24日のロシアによるウクライナ全面侵攻直後に凍結したロシアの資産を充当することにある。もちろん、これでは「窃盗」になりかねず、国際法上もさまざまな疑義がある。ロシア政府が訴訟を起こすのは確実であり、EUの政治指導者はしっかいした「悪知恵」で理論武装しなければ、裁判で敗れる可能性も捨てきれない。
加えて、ウラジーミル・プーチン大統領はEUの行動に対抗して、外国資産を迅速に国有化する計画を準備している(「ブルームバーグ」を参照)。EUがロシアの海外資産の没収を決定した場合、ロシアは新たな民営化メカニズムの下で海外資産を国有化し、迅速に売却する可能性があるというのである。事実、プーチンは9月30日、大統領令693号に署名し、民営化手続きの迅速化をはかった。ウクライナに24兆円を融資
賠償ローンというアイデアは、昨年2月にロイターの著名なコメンテーターであるヒューゴ・ディクソンらの共著論文「ウクライナの賠償ローン」に基づいている。今年2月には、ディクソンとリー・ブッフハイトの共著論文「ウクライナ賠償ローンの解決策」も公開されている。
ここでは、要点だけを概説しよう。「賠償ローン」は、これらの資産を没収することなく、キエフの利益のために動員する画期的な方法であると説明されている。というのは、国家には国際法上、「主権免責」が認められており、そう簡単にロシアの資産を没収することはできないからだ(詳しい説明は拙著『帝国主義アメリカの野望』[141~149頁]を参照)。あるいは、国によっては没収自体が国内法に抵触する可能性もある。そこで、以下のような手続きが構想されている。
〇 凍結されたロシア資産の保有者がウクライナに最大1400億ユーロを貸し付ける。
〇見返りとして、ウクライナはロシアに対する戦争賠償請求権を担保として差し入れる。
〇 融資は限定的なリコース債務(債務者が債務を履行できなかった場合に、債権者が債務者の保証人や手形などの譲渡可能証書の裏書き人、あるいは債務者の他の資産に遡って支払いを請求できる権利を持つ債務)として構成され、担保が唯一の返済原資となる。
〇国際補償委員会がウクライナの戦争賠償請求を査定する。
〇ロシアが支払いを拒否した場合、その可能性は高いと思われるが、凍結されたロシア資産を保有する国々は担保を差し押さえ、事実上ロシアへの請求権を継承する。
〇その後、ウクライナに融資を行った国々は、その債権と凍結された資産を相殺し、ウクライナへの融資を全額回収する。
なお、「最大1400億ユーロ」としたのは、9月25日付の「フィナンシャルタイムズ」において、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相がウクライナへの1400億ユーロにのぼる巨額のEU融資を開始するというアイデアを提案した、と報じられたからである。一方、9月24日付のロイター通信は、EUによるウクライナへの賠償ローンは最大で1300億ユーロ(約23兆円)になる可能性があると報じた。2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシアの国家資産の大部分は、ユーロクリア(ベルギーに本社を置く国際証券決済機関)で凍結されている。大部分は西側の国債に投資され、満期を迎えて現金化された。
ユーロクリアに預けられている資産のうち1750億ユーロ(約31兆円)が満期を迎え、新たな融資の原資となりうる約2100億ユーロ(約37兆2000億円)相当の現金は現在、欧州中央銀行の預金口座に預けられている。ただし、EUが賠償金の融資を進める前に、2024年合意されたG7の融資450億ユーロ(約8兆円)を返済する必要があり、1750億ユーロから450億ユーロを差し引いた1300億ユーロが、新たなローン向けに使える現金という。闇に消えるウクライナ融資
来年だけでなく、今年の残る日々についても、ウクライナは資金不足に悩んでいる。10月6日、ユーリア・スヴィリデンコ首相は、年末までに、防衛費に追加で3247億フリヴニャ(約1兆2000億円)を配分するという本年予算の補正案を承認したと「テレグラム」に投稿した。「歳出増加の主な財源は、G7のウクライナのための特別収益前渡し融資(ERA)イニシアティブに基づくEUからの60億ユーロ(約1兆1000億円)である」と説明している。ERAは、凍結されているロシアの国家資産から得られる特別な収益を活用した融資のことだ。
他方で、この日、「ニューヨークタイムズ」はウクライナへの軍事支援が不正の闇に消えている実態を報道している。ウクライナの国防調達庁が昨年初めから今年3月までに行った購入を調査したところ、「砲弾、無人機、その他の兵器に関する数十の契約が、最低落札価格で落札されていないことが判明した」という。低入札額と調達機関から実際に落札された契約の差額は、少なくとも54億フリヴニャ(約200億円)に上ることが監査で明らかになったというのだ。つまり、戦争継続を理由に西側からカネをむしり取り、私腹を肥やそうとする者がいるウクライナに、国民の血税を投じてきた欧州政治指導者の不見識を指摘しないわけにはゆかない。さらに、ウクライナはG7からの支援にもねらいを定めている。G7財務相らは10月1日、ロシアに対する圧力を強化し、ウクライナに対する継続的な残虐な戦争を終結させ、ウクライナを自衛するための継続的な努力を支援するための共同措置をとることに合意した、という声明を公表した。有力国はすでに賠償ローンの実現に向けて動き出しているようにみえる。カネのない欧州主要国や、日本を含むG7加盟国は、「ロシアの褌(ふんどし)で相撲をとる」ことで、ウクライナへの腐敗に満ちた「汚い支援」を継続しようとしている。カネのために戦争を継続するのか
実は、こうしたカネにまつわる動きこそ、ウクライナ戦争がなかなか終わらない理由を示している。要するに、欧州の政治指導者やG7加盟国の首脳は「カネのため」にウクライナに戦争をつづけさせたいのだ。
いま戦争を止めてしまうと、ウクライナが領土の一部をロシアに割譲するだけでなく、ロシアから賠償金を取れなくなる可能性もある。おまけに、対ロ制裁の緩和や撤廃まで約束しなければならなくなるかもしれない。賠償金がなければ、とくに欧州各国は大きな財政負担を強いられることになるだろう。
ゆえに、「悪知恵」の働く欧州の政治指導者たちはウクライナ戦争の継続によってカネの問題を先送りし、各国の税金を湯水のようにウクライナに注ぎ込んできた責任を逃れようとしているようにみえる。他方で、このサイトで何度も書いてきたように、敗色濃厚で兵員不足や脱走兵に悩み、腐敗が蔓延するウクライナの現状を、オールドメディアが報道しないことで、各国国民は自分たちの税金が無駄遣いされている実態に気づいていない。チェコでのANOの成功は、こうした実態をバビシュが説明し、「戦争が停止しないのはロシアのせいだ」として、ウクライナへのさらなる軍事支援と対ロ制裁の厳格化を常に主張してきた欧州指導者らの欺瞞(ぎまん)を暴露したからではないか。
本当は、いくら戦争を継続しても、塹壕(ざんごう)と要塞に守られた戦地の争奪は困難であり、明確な勝ち負けをつけること自体が難しい。そもそも政治指導者は、こんな戦争を4年も5年もつづける理由を説明できるのだろうか。戦争の継続は、人命が失われるだけだ。
普通に考えれば、チェコの下院選結果が示すように、欧州各国はウクライナに停戦・和平を急がせるために、ウクライナ支援の削減を促せばいいのである。一刻も早く停戦・和平を実現して、その後で復興支援をすればいい。
こうみてくると、「カネのため」に戦争をつづけさせている欧州政治指導者は悪辣非道に映る。これは私だけの思いだろうか。カネのためにウクライナ戦争継続を求める欧州指導者たちが躍進させた「チェコのトランプ」
塩原俊彦氏の略歴と著作一覧
1956年生まれ。学術博士(北海道大学)。評論家。1981年慶應義塾大学経済学部卒。同年、日本経済新聞社入社。1988年一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。同年朝日新聞社入社。1995~1998年モスクワ特派員、2000年高知大学人文学部准教授、2022年同退任。『帝国主義アメリカの野望』によって2024年度「岡倉天心記念賞」を受賞。
※2025年10月15日現在、Kindle Unlimited会員ならば、著者のいくつかの「Kindle版」の著書は、「無料」で読めます。Kindle Unlimited会員になって読むのもアリかと思います。
このような「プーチンはヒトラー」「プーチンは非道で卑劣な独裁者」「ロシアは世界中から嫌われて孤立している」これは本当でしょうか?なぜプーチン大統領は笑顔で歓迎されているのでしょうか?そして、逆にトランプやネタニアフはなぜ嫌われてるのでしょうか?このような悪魔化した誤解やデマは、一度広まると1人歩きして、日本人が得意な「見て見ぬフリしたり」、「他人任せ」にしても誰も解決せずに悪化し続けるので、まずは、伊丹万作の言葉にあるように、1人1人がどうして騙されているのか?「本当の姿はなんなのか?」その実像を知ることがまず大事です。そして、家族や友達やお近くの議員にも「悪魔化の手口」や「何が事実なのか?」を教えてあげてください。
【今必要なもの⬇️】
伊丹万作「騙されることの責任」より
『あんなにも雑作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己のいっさいをゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。(中略)
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でも騙されるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているに違いないのである。
一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。現在の日本に必要な事は、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである(後略)』
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